退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

時代劇

【映画感想】『新選組始末記』(1963) / 市川雷蔵主演の時代劇映画。ラストの握手のシーンがおかしい

先月テレビ放送されていた映画『新選組始末記』(1963年、監督:三隅研次)を録画で鑑賞。子母澤寛の同名小説が原作だが、本作は原作とはまったくの別物。本作は市川雷蔵のスタームービー。市川は密偵として知られる山崎烝(すすむ)を演じ、山崎の目を通した…

テレビ時代劇『盤嶽の一生』が放送されています

現在、毎週日曜日にBSフジで時代劇『盤嶽の一生』(ばんがくのいっしょう)が放送されています。全10話。前から見たかった作品ですがソフト化されてません。今回、ようやく見ることができました。原作は白井喬二の同名時代小説。戦前に名匠・山中貞雄監督、…

【映画感想】『ポルノ時代劇 忘八武士道』(1973) / 丹波哲郎がノリノリの官能時代劇

新文芸坐の《戦後70年企画 第四部 戦後日本映画史の発見 愛と官能のシネアスト》なる企画で映画『ポルノ時代劇 忘八武士道』(1973年、監督:石井輝男)を鑑賞。小池一雄、小島剛夕原作による劇画「忘八武士道」を映画化した官能時代劇。タイトルの「ポルノ時…

【映画感想】『江戸城大乱』(1991) / 90年代に制作されたトンデモ時代劇

BSで放送された映画『江戸城大乱』(1991年、監督:舛田利雄)を鑑賞。かつて東映が製作して大ヒットした『柳生一族の陰謀』(1978年)の系譜に連なるトンデモ時代劇。良い子は史実だと思ってはいけません。昔の夢をもう一度というわけでもないだろうが、世の…

【映画感想】『超高速!参勤交代』(2014) / アイディア勝負の新機軸の時代劇

新文芸坐の《昨年の邦画話題作を振り返る! 気になる日本映画達〈アイツラ〉2014》で、映画『超高速!参勤交代』(2014年、監督:本木克英)を見てきた。2011年に第37回城戸賞を受賞した土橋章宏のオリジナル脚本を映画化。寛政年間。幕府は金山の利権を狙い弱…

深作欣二監督のテレビ時代劇「阿部一族」を見ました

森鴎外の短編小説『阿部一族』を、深作欣二監督が映像化した作品。映画ではなく、1995年にフジテレビで放送されたテレビドラマです。この時代まではテレビにもまともな時代劇があったことを確認できる傑作です。阿部一族 ディレクターズ・カット [DVD] 佐藤…

岡本喜八監督特集でテレビ時代劇『着流し奉行』(1981)を見た

シネマヴェーラ渋谷の《岡本喜八監督特集》で、テレビ時代劇『着流し奉行』(1981年、フジテレビ)を鑑賞。原作は山本周五郎『町奉行日誌』。享和年間、西尾藩では町奉行の交代が相次ぐなか、場外の悪の巣窟を大掃除するため新任町奉行・望月小平太が江戸から…

【映画感想】『蜩ノ記』(2014) / 執行猶予付き切腹を巡る清廉な武士を描く時代劇映画

新文芸坐で映画『蜩ノ記』(2014年、監督:小泉堯史)を鑑賞。葉室麟の直木賞受賞作である同名時代小説の映画化で、役所広司と岡田准一の初共演作である。蜩ノ記(ひぐらしのき) Blu-ray(特典DVD付き2枚組)出版社/メーカー: 東宝発売日: 2015/04/15メディア: Bl…

新春ワイド時代劇『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』を見ました

テレビ東京の正月恒例の新春ワイド時代劇で『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』を見た。時代劇の不振のためか、かつては12時間放送されたワイド時代劇もいまでは5時間に短縮されている。ちなみに、いまはヤマダ電機の冠番組になっている。 「大江戸捜…

大型時代劇スペシャル『太閤記』(1987)が奇想天外で面白かった

年末、BS-TBSで放映された大型時代劇スペシャル『太閤記』を鑑賞。1987年元日にTBSで放送された時代劇ドラマ。実質4時間半ぐらいの尺である。制作は東映で岡本喜八が監督を務めている。太閤記 [DVD]柴田恭兵Amazon主演の豊臣秀吉役は柴田恭兵。柴田恭兵の軽…

【映画感想】『十手舞』(1986) / 時代劇に新体操を取り入れた珍作。夏木マリに刮目せよ

新文芸坐の《五社英雄映画祭》で、映画『十手舞』(1986年)を鑑賞。石原真理子主演のトンデモ時代劇。スクリーンで上映されるのはレアなので、これは見ておこうと出かける。なおDVDは発売されていない模様。ストーリーはどうでもいいが、一応、石原真理子は、…

【映画感想】『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』(2012) / 男女逆転は斬新だが露出は少なめ

Huluで『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』(2012年、監督:金子文紀)を観る。よしながふみのコミック『大奥』の実写化であり、TBSで放映されたテレビ時代劇『大奥〜誕生[有功・家光篇]』の続編でもある。大奥 ~永遠~ [右衛門佐・綱吉篇] <男女逆転> 通…

【映画感想】『真田幸村の謀略』(1979) / トンデモ時代劇ここに極まれり

新文芸坐の《祝 80歳&監督生活50周年「遊撃の美学 映画監督 中島貞夫」映画祭》で、映画『真田幸村の謀略』(1979年/東映)を見てきた。ヒット作『柳生一族の陰謀』(1978年)から始まる東映時代劇復興の路線にある一作。真田幸村の謀略 [DVD]松方弘樹Amazon…

【読書感想】春日太一『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』(文藝春秋、2013年)

東映京都撮影所にみる様々な人間模様や映画に対する情熱を綴った本である。映画業界の興亡史としても読むことができる、400ページを超える力作。映画好きに広くすすめたい。 あかんやつら 東映京都撮影所血風録作者:春日 太一発売日: 2013/11/14メディア: 単…

【映画感想】『祇園の暗殺者』(1962)

新文芸坐の《春日太一&新文芸坐 セレクション オススメ時代劇映画祭》という企画で、近衛十四郎主演の映画『祇園の暗殺者』(1962年、 監督:内出好吉)というレアな作品を鑑賞する。併映は『子連れ狼 三途の川の乳母車』(1972年)。舞台は幕末の京都。薩摩出…

【映画感想】『子連れ狼 三途の川の乳母車』(1972)

新文芸坐の《春日太一&新文芸坐 セレクション オススメ時代劇映画祭》という企画で、映画『子連れ狼 三途の川の乳母車』(1972年、監督:三隅研次)を鑑賞しました。小池一夫・小島剛夕の劇画『子連れ狼』のの映画化です。若山富三郎版『子連れ狼』シリーズ…

【読書感想】春日太一『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮新書、2014年)

2011年、長寿番組だったテレビ時代劇『水戸黄門』が終了し、民放のレギューラー枠から消えて瀕死の状態のある時代劇。この本は衰退する時代劇に対する檄文なのか鎮魂歌なのかわからないが、衰退するにはそれなりのワケがあることを明らかにするとともに、そ…

NHKの木曜時代劇『吉原裏同心』がよかった

先週、NHKの木曜時代劇枠で放送されていた『吉原裏同心』(全12回)が最終回を迎えました。木曜時代劇で放送される時代劇は毒気がなく、「イイハナシダナー」という番組が多いので、いつもイマイチだな思っていましたが今回はよかったです。http://www.nhk.or.…

【映画感想】『一命』(2011) / 竹光で切腹するのは痛そうだ…

DVDで映画『一命』(2011年、監督:三池崇史)を鑑賞する。原作は滝口康彦の小説『異聞浪人記』であり、映画『切腹』(1962年、監督:小林正樹)のリメークでもある。リメークではなく同じ小説を基にしただけかもしれないが、どうしても比較される2つの映画だ…

木村拓哉主演の時代劇ドラマ「忠臣蔵1/47」が、まさに「忠臣蔵 featuring キムタク」だった!

テレビドラマ「忠臣蔵1/47」をDVDで見ました。2001年の年末にフジテレビで放送された時代劇ドラマです。キムタク芝居全開です。主演は堀部安兵衛を演じるキムタクこと木村拓哉。このドラマはキムタクを中心に潤色されているので、オーソドックスな忠臣蔵とは…

【映画感想】『魔界転生』(1981) / 「チバちゃん祭り!」のラストはやっぱりコレ!

シネマヴェーラ渋谷で開催されていた千葉真一特集「チバちゃん祭り!Sonny Chiba A Go Go!!」でラストに観たのは、映画『魔界転生』(1981年、監督:深作欣二)です。やっぱり千葉ちゃんの柳生十兵衛は外せません。魔界転生 [DVD]千葉真一Amazon公開当時、天草…

【映画感想】『豪姫』(1992) / 宮沢りえが初々しいケド…

新文芸坐の〈『未完。』刊行記念 第二回 仲代達矢映画祭〉で、映画『豪姫』(1992年、監督:勅使河原宏)を鑑賞した。タイトルロールを演じるのは宮沢りえだが、仲代達矢が扮する古田織部が実質的な主役だろうか。それにしても誰がストーリーの軸なのかよくわ…

【映画感想】『斬る』(1968)

先週、シネマヴェーラ渋谷の「岸田森特集」で映画『斬る』(1968年、岡本喜八監督)を観た。白黒の時代劇映画。侍を捨てた弥源太(仲代達矢)と侍になりたい百姓・半次郎(高橋悦史)が、家老(神山繁)の圧政に憤る青年藩士に出会い、お家騒動に巻き込まれる…

大型時代劇『関ヶ原』(1981)のキャスティングがすごかった

Huluでテレビドラマ『関ヶ原』を観た。これは TBSにて1981年新年に三夜にわたり放送された大型時代劇である。司馬遼太郎の同名小説が原作。天正遣欧少年使節の一員(田中健)がローマ法王庁に関が原の成り行きを書簡で知らせる形式で語られる。 関ヶ原 [DVD]…

【映画感想】『武士の献立』(2013) / 二匹目のドジョウは美味かったか?

新文芸坐で、映画『武士の献立』(2013年、監督:朝原雄三)を鑑賞。2010年に公開された映画『武士の家計簿』に続き、加賀藩を舞台とした時代劇。前作では「そろばん侍」を取り上げたが、今回は料理で藩主に仕える「包丁侍」をユニークな切り口で描く。 武士…

【映画感想】『蠢動-しゅんどう-』(2013)

先週、新文芸坐の「気になる日本映画達〈アイツラ〉2013」という企画上映で、『蠢動-しゅんどう-』(2013年、監督:三上康雄)を観た。監督が「自分が観たい時代劇映画はない。だから、自分で創る」という信念で、自ら脚本・監督した作品。「蠢動-しゅんどう…

【映画感想】『侍』(1965)

新文芸坐の企画上映「永遠の映画スター 三船敏郎」で映画「侍」(1965年、監督:岡本喜八)を観る。桜田門外の変(1860)を題材にした本格時代劇。白黒映画。三船敏郎は、大老井伊直弼の落胤であるが父が誰かを知らされずに育てられた浪人・鶴千代を演じている…

【映画感想】『上意討ち 拝領妻始末』(1967)

新文芸坐の企画上映「永遠の映画スター 三船敏郎」で映画「上意討ち 拝領妻始末』(1967年、監督:小林正樹)を観る。封建時代の理不尽がもたらす悲劇を描いた時代劇。 会津藩馬廻り役・笹原伊三郎(三船敏郎)は武芸で藩内に勇名を馳せていた。その笹原家に藩…

【映画感想】『赤穂浪士 天の巻・地の巻』(1956)

映画「赤穂浪士 天の巻・地の巻」(1956年、松田定次監督)をDVDで鑑賞。大佛次郎の同名小説を原作として製作された東映創立5周年記念作品。正統・忠臣蔵ではなく、大佛の「赤穂浪士」を原作しているので堀田隼人と蜘蛛の陣十郎ら四人組が狂言回しとして登場…

『徳川一族の崩壊』 (1980)

先日、新文芸坐で「徳川一族の崩壊」(1980年、山下耕作)を観た。上映機会の少ない作品らしい。今回も「不良箇所あり」という注意書きがあった。幕末、江戸幕府が崩壊していく様子を描く時代劇映画。主役は松平容保を演じる萬屋錦之介。さすがの貫禄で何から…