退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『十手舞』(1986) / 時代劇に新体操を取り入れた珍作。夏木マリに刮目せよ

新文芸坐の《五社英雄映画祭》で、映画『十手舞』(1986年)を鑑賞。石原真理子主演のトンデモ時代劇。スクリーンで上映されるのはレアなので、これは見ておこうと出かける。なおDVDは発売されていない模様。

十手舞 [VHS]

ストーリーはどうでもいいが、一応、石原真理子は、渡瀬恒彦が率いる巨悪を粛清するための謎の組織「影十手」の一員という設定。

時代劇に新体操を取り入れた斬新(?)な演出ということだけで記憶に残る作品。オープニングからリボンをくるくるしながら踊る石原真理子、そしてエンドロールには振り付けに元・五輪選手の山崎浩子の名前もある。突っ込みどころ満載のトンデモ時代劇になっている。五社監督がこんな映画を撮ったのか経緯を知りたいものだ。
【映画チラシ】十手舞・五社英雄・石原真理子//時代劇

以下でいくつか突っ込んでみる。

まず川谷拓三。石原真理子父親が川谷という設定だがそれだけでおかしい。川谷は喉笛を切られ声を失い、その後は手話で会話するのだが、映画では字幕ではなくアフレコという謎の演出がワケわからない。

次に場面が変わるごとに、石原真理子がリボンをくるくるしながら踊る場面が挿入されるのもおかしい。それだけでは足りないと思ったのか、夏木マリまでもお色気ダンスを披露。もうワケわからない。

そして圧巻は竹中直人。地獄というニックネームの同心で味方か敵かわからない存在なのはいいが、「アチョー!」と香港カンフー映画のような奇声をあげながらの殺陣を披露。これはこれで楽しいからいいのだが、映画的にどうなんだろう。

そんなヘンテコな映画だが見どころもある。

映画の終盤に登場する、三人組の刺客を相手に、世良公則渡瀬恒彦が対決するシーンはすばらしい。三人組のなかに居合の達人がいて殺陣がすごい。ここは一見の価値があり。

そして夏木マリがすばらしい。妖艶なアバズな悪女を演じていて、石原真理子の映画なのに美味しいところを総ざらいしていく。彼女のための映画と言っても過言ではない。

DVDが発売されていないのも納得の映画なのだが、ニコ生でみんなで見ると楽しいかもしれない。
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