先日、六本木ヒルズ森タワー52階・東京シティビューで開催中の「創刊50周年記念 花とゆめ展」を見てきました。
2024年5月に創刊50周年を迎えた少女まんが雑誌『花とゆめ』(白泉社)は、世代を超えて多くの読者に親しまれてきました。数多くの名作を送り出してきた『花とゆめ』は、いまなお輝かしい光を放つとともに、メディア・社会に影響を及ぼしています。
この展示会では、創刊50周年を記念して幅広い世代の読者に『花とゆめ』が拓いてきた少女漫画の世界を紹介していきます。
原画展に目がない私としては、あの『花とゆめ』の展示会だということで、とりあえず足を運んでみましたが、正直ちょっと期待ハズレでした。いちおう原画の展示もあるのですが、一作品にほんのちょっぴりで物足りなく感じました。
まあはじめから50年分の集積をこの規模で紹介するのは無理があるのではないか、と思っていましたが、案の定、その予感が的中しました。かつて盛況を博した「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展」をみならって時期で分割して、その時代の代表作をじっくり紹介してほしかったです。私は断然80年代にフォーカスしたいです。
本展示会にもいちおう年表が展示さていましたが、原画などの展示をそれて関連付けて、当時の風俗なども紹介するともっとよかったのではないかと……。
さすがに50年分をいっきにやると各作品の紹介は手薄になってしまいます。当時、読みそこねた作品を再評価するきっかけになるかなと思いましたが、そういう効果は期待できません。あくまでも過去の読者に向けての展示で、これで新しい読者を獲得するのは無理でしょう。
ラストは狙いすましたように「パタリロ!」のおみくじコーナーでした。金のパタリロ像が鎮座していて、妙に納得しました。やはり展示を見ると、白泉社としては、「ガラスの仮面」と「パタリロ!」が別格なのかなと感じ入りました。
余談ですが、ひさしぶりに六本木ヒルズに登ってみましたが、ここから見下ろす東京の街は格別ですね。日常の些末なことがどうでもいいような感覚にとらわれます。たまには登ってみるものですね。