退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】『マンガ 安倍晋三物語』(飛鳥新社、2024年)

安倍元首相の伝記マンガ。結構厚い本で読み応えあり。

著者はTEAM ABE「安倍晋三総理を敬愛するクリエイター集団」となっている。いったい誰なのか。この名前のとおり、安倍晋三の人生の明るい面だけをひたすら描いていて、批判的な視点がまったくない。これほど美化してもいいのだろうか。都度ツッコミを入れながら読むとちょうどいい。

安倍さんの政治家としての評価は、後世の歴史家が定めることになるだろうが、現在の日本の衰退ぶりを鑑みると、個人的にはとてもではないが及第点は付けられない。日本経済の低迷や少子高齢化など、さまざまな問題の責任の一端は安倍さんに帰されるのは疑いがない。

それでも本書からは日本政治のダイナミズムは感じられるし、当時の読者自身の体験と重ねて読み進めることができるのは美点であろう。ここ数十年を振り返るだけでもいろいろあった。