退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『河内のオッサンの唄』(1976) / 川谷拓三の初主演作

シネマヴェーラ渋谷の《名脇列伝III ピラニア軍団・役者稼業》で映画『河内のオッサンの唄』(1976年、斉藤武市監督)を鑑賞。ミス花子ヒット曲「河内のオッサンの唄」の映画化で、川谷拓三の初主演作。ピラニア軍団の面々のほか、夏純子、岩城滉一ミヤコ蝶々らが脇を固めている。

河内松原に住む徳松(川谷拓三)は、白タクの運転手で三十過ぎていまだに独身。ガラが悪く喧嘩早くて、おっちょこちょいだが、河内男の心意気に溢れた好漢。そんな彼が暴力団に抗争に巻き込まれ、ついには東京まで乗り込んで、やくざ相手に大暴れする人情アクション。

1曲のフォークソングからイメージを膨らませて、1本の映画に仕上げたのは見事。まあ、この映画で描かれている“河内”がどれだけリアリティがあるかわからないが、曲のイメージはよく出ていて、人情味たっぷりのベタな映画に仕上がっている。


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主演の拓ボンはさすがの熱演。なかなかいい男に撮れていて、もう少し背が高ければスターの狙えたのかもしれないと思わせる。しかし共演者では、岩城滉一が棒すぎたのにはイタいし、夏純子は美人だがどうしても河内の女には見えないのは難点か。

ラストで、拓ボン、岩城、室田日出男の3人がダンプカーに乗って殴り込みをかける。散々暴れしたあとに3人は警察にお縄になり、パトカーのなかで終劇。このあたりはいかにも東映らしい。プログラムピクチャーとしては及第点。

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