新文芸坐で開催中の《追悼上映 鬼才 鈴木則文 ~下品こそ、この世の花~》で、映画『大阪ど根性物語 どえらい奴』(1965年)を見ました。鈴木則文の第一回監督作品。白黒映画でした。
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- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: DVD
大正時代の大阪が舞台。葬儀屋の使用人(藤田まこと)が、主人(曽我廼家明蝶)の娘(藤純子)と駆け落ちして独立。軍隊生活で知り合った長門裕之とともに、自ら考案した霊柩車(れいきゅうしゃ)で旧来からの葬儀屋と競合しつつ起業を成功させる人情活劇です。
テンポがよく見ている者を飽きさせません。鈴木則文監督は最初から面白かった。葬列を連ねる当時の葬儀の様子が再現されているのも興味深いです。
出演者はさすがにみんな若い。それでも藤田まこと、長門裕之はすでに芸達者で十分に魅せてくれます。藤純子も、当日、併映されたシリーズ第2作の『緋牡丹博徒 一宿一飯』(1968年)と比べるとずいぶんと初々しいですが大物女優の片鱗を感じさせます。
本作は初見でしたが、なかなかいいものを見ました。今回の追悼上映は落ち穂拾いというか、これまで見てない作品を中心に見ていきたいです。