退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『少林寺拳法』(1975) / 千葉真一が少林寺拳法の創始者を演じるアクション映画

シネマヴェーラ渋谷の《鈴木則文復活祭》で映画『少林寺拳法』(1975年、監督:鈴木則文)を鑑賞。少林寺拳法創始者宗道臣の半生を描くアクション映画。主演は千葉真一

宗道臣千葉真一)が日中戦争で旧日本陸軍の特務機関で諜報員と活躍しているシーンから映画は始まる。上官(小松方正)が日本の敗戦を伝えると、チバちゃんはいきなり「日本は負けたが俺は負けてない」と室内で機関銃を乱射。ランボーですか!

帰国後、大阪の阿倍野を根城に浮浪児たちの面倒を見ていたが、正義のため地元のやくざや進駐軍を叩きのめして警察に逮捕される。進駐軍に身柄の引き渡しを要求されるが、なぜか警察署長(丹波哲郎)が逃してくれて香川県多度津町にたどり着く。

その地で道場を開き弟子たちと心を通わせるが、やはり地元やくざ(親分:名和宏 )との間でトラブルを起こす。最後は怒りの殴り込み。大暴れの末、闇ビジネスのため四国に来ていた大阪のやくざ(小池朝雄)に天誅を加える。逮捕されないのかよ! ラストは大勢で少林寺拳法の稽古しているシーンで「正義をともなわない力は暴力なり。力をともなわない正義は無力なり」のスーパーインポーズが出て終劇。

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まあこんな映画だが、ちょっと不満なのは宗道臣の修行時代が描かれずに、いきなり特務機関の一員として登場するところ。劇中、わずかに少年時代に触れているが、いかにして中国拳法を含む武術を会得したのか描かれていないのは残念。

全編通していつもの千葉真一主演の東映アクション映画の文法どおりだが、いつ見てもチバちゃんはカッコいい。この映画でもアクションを堪能できる。

またヒロインの中島ゆたかの可憐さにも注目したい。彼女は本作以外にも千葉真一主演作品にヒロインとして何度か出演しているが、こんな映画(失礼!)に埋もれるタマじゃないにといつも思ってしまう。

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