退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】かぜのたみ『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』(朝日新聞出版、2023年)

最近、巷に溢れている「節約」「ミニマリスト」を標榜する本のなかの一冊。そのまま取り入れることはできないにせよ、一部でも参考になればと思いながら手に取る。

類書を何冊か読んできた私にとっては、具体的な節約方法についてはほとんど得るものがなかった。むしろ主に本の後半に述べられている思想的な部分はなるほどと思ったが、私とは価値観がずいぶんと違う。

家賃、食費込みで月7万円というのが宣伝文句だけど、もう少し内訳を示してほしいものだ。支出だけでなく、収入はどうなっているのかと思ってしまう。収支を併せて考えないと意味がない。乾物はふるさと納税の返礼品にまかなっているというのだから、結構稼いているのかしらん。税金、社会保障費は?

また、読んでいていちばん気になったのは、筆者はどんな人物なのだろうということ。プロフィールを見ても判然としない。文中からかろうじて女性であろこと、フリーランスだということはわかる程度。年齢やキャリアパス、出身地、学歴などなど。いったい何をやって生計を立てている人なのだろう。どうも具体的なイメージが沸かないのが難点。

人気YouTuberとあるので、YouTubeからの収益で暮らしているのだろうか。失礼ながら、本当に実在している人物の話なのだろうかと疑ってしまうほどだった。

それにしても、こういう女性が社会に増えると、ますます少子化が進行し、個人消費も冷え込むことになる。日本経済やばいよ。日本はどこで道を間違ったのだろうか。