退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

朝ドラ「ブギウギ」が最終回でした

朝ドラ「ブギウギ」は、2023年度後期放送のNHK連続テレビ小説」第109作。足立紳櫻井剛作。戦後の「ブギの女王」といわれた笠置シヅ子をモデルとしたフィクション。主演は趣里

実在した大物歌手をモデルにしているため、往年のヒット曲が劇中に登場して否が応でも盛り上がる。これほど音楽が劇伴の域を超えて重要な役割を果たした朝ドラもめずらしい。歌謡曲好きとしては大いに気に入った。笠置シヅ子に多くの曲を提供した服部良一の孫である服部隆之が音楽を担当したことでも話題になった。

前半では主人公・福来スズ子が梅丸少女歌劇団(USK)に入団して研鑽を積むところが、ライトな宝塚ファンの私としてはツボだった。笠置も宝塚歌劇団の入団を志すも叶わず、OSKに入団している。劇中では戦前の日本の大らかの雰囲気が描かれているところもよかった。戦時期の統制下で芸能活動が制限される重々しい社会を主人公の視点で描かれているのも興味深い。

ただし難点を言えば、これは最近の朝ドラに共通していることだが、主人公が歳をとらないところ。終盤で若手の台頭により、主人公が歌手の引退を決意するが、いったい何歳なのかわからないのだ。やはり若手に対して、相当の歳の差を感じさせてほしい.歌唱においても終盤はベテランの味を表現してほしかった。

終盤で登場する若手歌手が、USK時代の先輩(蒼井優)の忘れ形見という設定はちょっといいと思った。

音楽に助けられている部分は大いにあるが、久しぶりにワクワク感がある朝ドラだった。十分に満足した。

連続テレビ小説 ブギウギ Part2 (NHKドラマ・ガイド)