退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビ時代劇『盤嶽の一生』が放送されています

現在、毎週日曜日にBSフジで時代劇『盤嶽の一生』(ばんがくのいっしょう)が放送されています。全10話。前から見たかった作品ですがソフト化されてません。今回、ようやく見ることができました。

原作は白井喬二の同名時代小説。戦前に名匠・山中貞雄監督、大河内伝次郎主演で映画化されました。その影響を受けた巨匠・市川崑監督が第1話と第2話を演出しています。主演は役所広司

剣はめっぽう強いが世渡りが下手な実直すぎる性格の浪人・阿地川盤嶽(役所広司)が主人公。貧乏ながらも真っ直ぐに生きている盤嶽は、剣の恩師から授けられた名刀を腰にあてもなく旅をしています。いわゆる旅ものの時代劇ですが同伴者はおらずひとり旅です。ですからレギュラーは役所広司ひとりで、共演者が毎回変わるという構成です。

物語はとても分かりやすい。直情的な盤嶽とそれにつけ込むひと癖ある共演者とのぶつかり合いが見どころです。盤嶽が騙されて大声で吠えるのがルーチンのようですが、役所広司にぴったりです。まだドラマでは盤嶽の生い立ちは語られないので、どんな人物なのかイマイチ判然としません。おいおい明らかにされるのでしょうか。

共演者も存在感があります。これまでに第2話まで放送されましたが、石倉三郎上條恒彦ベンガルと個性派が顔を揃い、女優陣も鈴木京香浅野ゆう子安達祐実となかなか豪華です。みんな若い。

また主人公は剣の達人という設定なので殺陣も存分に楽しめます。これまではライバルになるような敵役は登場していませんが、そのうち剣客と立ち会うシーンもあるだろうと期待しています。

この時代劇は、2002年にフジテレビで放送されましたが、第8話で地上波での放送を打ち切られ、残り2話は後日CS放送で放送されたという、いわくつきの作品。テレビ時代劇の冬の時代到来を予感させた作品でもあります。いまでは地上波では時代劇をほとんど見ることができなくなりました。

残り8話ですが楽しみたいと思います。

**** (追記)DVD-BOXが発売されました ****