昨年秋、楽しみにしていた映画『沈黙の艦隊』(2023年、監督:吉野耕平)を映画館で見てきたワケだが、最近Prime Videoで全8話の連続ドラマに編集されて配信が開始された。以下、ドラマの内容というより、このビジネス手法について思ったことを書く。
今回配信されたドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~」は、昨年公開された映画を分割した上で、未公開映像をふんだんに追加し、さらに続きのエピソードを加えて再構成された内容だった。
映画では駆け足に思えた部分が、未公開映像を追加することにより、ストーリー展開が自然になったように感じた。元来ドラマを制作して、それのダイジェストを劇場公開したと見るべきだろう。
さらに中途半端に終わった映画にエピソードを追加して、原潜やまとが米海軍・第7艦隊を翻弄して東京湾から脱出するまでを描いている。
Prime Videoの配信を見終わって感じたのは、「昨年の映画は何だっただろう」ということ。これならば映画を見ずに、Prime Videoで全編見てもよかったかもしれない、と思ってしまった。
映画が公開から時間を経て、ネット配信されることは当たり前になったが、今回は映画がそのまま配信されるのではなく、再編集によりパワーアップされている点が従来を大きく異なる。
尺の関係で映画がダイジェストになるのは仕方ないとしても、せめて東京湾脱出までをきちんと映画に収めてほしかった。大枚はたいて映画館まで足を運んで見たが、そのありがたみが薄いと感じた。