退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

再び非常事態宣言が解除されたワケだが…

首都圏の1都3県に出されている新型コロナウイルス感染症についての緊急事態宣言について、日本政府は、3月18日開いた対策本部で期限の3月21日で解除することを決定した。同日夜、菅総理大臣が記者会見で解除宣言を表明した。あいかわらずスピーチが下手でゲンナリしたが、内容自体も疑問に思った。


【ノーカット】首都圏1都3県の緊急事態宣言 21日で解除 菅総理記者会見 (2021年3月18日)

解除の基準値とはなんだったのか?

一応、今回の解除は、逼迫していた医療提供体制が改善。4段階の指標の中で宣言解除の目安とした「ステージ3」(深刻度上から2番目)相当を下回っていることから判断したと会見で言っていた。

昨年一度目の非常事態宣言を解除するときは「直近1週間の10万人当たりの感染者が0.5人程度以下」を目安と言っていたがどうなったのかと思った。

まあ客観的指標に基づいて非常事態宣言を発出・解除するのはよろしい。しかし今後「ステージ4」になったら再々度「非常事態宣言」を発令するのかしらん。いわゆる「サーキットブレーカー」はあるのか否か。この点が気になったが会見でははっきりとした言及はなし。なんだかなぁ~。

飲食店の閉店時間が夜8時から夜9時に?

解除後、首都圏の飲食店の営業時間短縮は午後9時までとなるとのこと。閉店が1時間遅くなるだけだが、個人的にはいままで不便だったので歓迎したい。

しかし冷静に考えてみると飲食店を狙い撃ちするような「飲食店の営業時間短縮」がどれだけ効果があったのか検証されていないし、新規感染者数が増加傾向を示しているなか、このタイミングで閉店時間を1時間遅くする意味がわからない。

これまで「飲食店の営業時間短縮」が感染拡大防止の切り札のように運用されてきたが、これが妥当だったのか検証してみる必要はないだろうか。たしかに感染状況を示す数字は改善しているのは間違いないが、「飲食店の営業時間短縮」との因果関係ははっきりしない。

リバウンドはあるのか?

首都圏よりひと足早く緊急事態宣言が解除された関西圏では、案の定、新規感染者数が増加傾向に転じている。やはり程度はあるにしてもリバウンドが避けられないとみるのが正しいのだろう。

これから年度末・年度初めのイベントが目白押し。卒業式、入学式、歓送迎会、お花見みなどなど。本当にいまのタイミングで非常事態宣言を解除してよかったのか疑問である。もう少し慎重であるべきではないか。会見を見ていてそんなことを思った。

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