荒川弘のコミック「銀の匙 Silver Spoon」(全15巻)の最終巻を読み終わりました。。北海道の農業高等学校(エゾノー)を舞台した少年漫画。久しぶりの新刊。ついに完結です。ちなみに第14巻が出たのが2017年夏ですから、およそ2年半ぶりということになります。
銀の匙 Silver Spoon (15) (少年サンデーコミックス)
- 作者:荒川 弘
- 発売日: 2020/02/18
- メディア: コミック
銀の匙 Silver Spoon 14 (少年サンデーコミックス)
- 作者:荒川 弘
- 発売日: 2017/08/18
- メディア: コミック
この漫画が「週刊少年サンデー」で連載開始されたのは2011年。この作品は、2013年にテレビアニメ化され、さらに2014年には実写映画化されています。今年は2020年なので、もはや一昔前に思えます。
銀の匙 Silver Spoon(第1期)(フジテレビオンデマンド)
- メディア: Prime Video
「堂々の完結」と言いたいところですが、後半はどうしても駆け足感が拭えません。振り返ってみれば、主人公・八軒が受験と父から逃げるようにしてエゾノーに入学した最初のほうがいちばん面白かった。とくに自らが飼育した豚をつぶしてベーコンピザをつくるエピソードがよかったです。
終盤は起業の話がメインになりビジネス色が強く打ち出されています。それはいいのですが、八軒は「社長命令」で大学進学することになり、逃げていた受験と父と再び対峙することになります。結果はあっさり御影と同じ国立大学に合格するのだからさすがです。
そして大学生活が描かれると思いきや、すぐに卒業。「えー」と思いましたが、巻末漫画に、担当からの「大学生活も描いてほしい」という願いを「いやどす」とあっさり拒否しているエピソードが印象的でした。だらだら続けるよりはすっぱり終わったほうがよかったでしょう。
正直、前半のテンションの最後まで疾走してくれたならと思わなくもありませんが、作者は家庭の事情により休載を続けていたとのこと。最終巻が出るまで間があいたため、読者のほうも時を重ねていて環境が変わったこともあり、作品内の時間経過がリアルに感じられるという予期しない効果がありました。なかなか稀有なことかもしれません。
好きな漫画がひとつ終わりました。長い間ありがとうございました。