退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

COVID-19対策は「データ主義」で頼む

最近ニュース番組を見ていると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の関連ニュースがトップを飾る日が続いている。

おおよそ、その日に報告にあった感染者数、これまでの累積感染者数、そして死者についても同様の数字が伝えられてる。これに都道府県別にドリルダウンした数字が続く。番組では感染者数の日々の推移を見て「たいへんですね」というどうでもいいコメントで締められる。

私は毎日発表される感染者数データに意味があるのか疑問だが、メディアは番組でも記者会見でも行政を追求しない。不思議なことだ。

具体的に疑問なのは次の2点。

  1. 実際の検査実施人数と検査受入数の上限の推移は?
  2. 医療機関が保険適用で行った検査は含まれないのはおかしい?

第一に検査実施状況が伝えられないのが不満である。感染者数は検査実施数に依るのは明らか。患者は、なかなか検査が受けられないという話はよく聞く。医師が検査が必要だと判断しても検査してもらえないという。

そうした検査の状況で、感染者数データは母集団の状態を表していないのではないか。少なくとも検査受け入れ件数の上限以上には感染者が見つかるはずはない。検査のキャパシティがボトルネックが原因で、感染者数が頭打ちになってもまったく意味がない。発表されているデータがあてにならないということだ。

私もなんでもかんでも闇雲に検査すればいいとは思わないが、検査により感染者を見つけて隔離することを地道にやる以外に終息への道筋はないし、検査をロクにしないでは状況把握もできない。どういう作戦でCOVID-19に対抗していくつもりなのか説明してほしい。

第二も検査についてだが、東京都が公開しているサイトによれば検査に関しては「医療機関が保険適用で行った検査は含まれていない」とあった。「え?」と思ったが、なぜデータを集約できないのだろう。この検査実施人数というのも実態と齟齬があるようだ。

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

私はまったくの門外漢で、学生のころ統計学を少しかじり、社会人として品質管理の業務経験がある程度だが、その素人が見ても行政から公表されているデータはまったく不十分に思える。

行政が何かを隠しているのか、本当に無能なのかわからないが、「不正確なデータを基に適切な対策も正確な予測もできない」ということだけは間違いない。

データを公表するときは、素人でも納得できるように、もう少し丁寧な説明がほしいものである。

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