退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『堂堂たる人生』(1961) / 芦川いづみのツンデレぶりを愛でる青春映画

新文芸座の《「芦川いづみ 愁いを含んで、ほのかに甘く」出版記念 芦川いづみ映画祭》で映画『堂堂たる人生』(1961年、監督:牛原陽一)を鑑賞。主演は石原裕次郎

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倒産寸前の老舗玩具会社に務めるサラリーマン周平(石原裕次郎)は、新製品の自動車の玩具をテスト中に寿司屋の娘・いさみ(芦川いづみ)と知り合う。その後、なりゆきで周平と同僚・小助(長門裕之)、そしていさみは三人で金策のため大阪に行くことになるが……。

サラリーマン裕次郎が数々の困難を乗り越えて、金策や海外販路の契約を成し遂げて大勝利する青春映画。まあ裕次郎主演のプログラムピクチャーのひとつ。石原・芦川・長門のトリオの取り合わせ絶妙。宇野重吉東野英治郎などベテラン陣の助演もあり楽しめる。

肝心の芦川いづみはちゃきちゃきの下町娘を好演。いまでいうツンデレ系なのだが、当時からこうしたキャラが重用されていたのは興味深い。外国人ディラー相手に民族衣装のコスプレも披露しているのも見どころ。

芦川いづみ特集は神保町シアターで何度か企画されていたが、私はどうも日活映画が苦手なので食わず嫌いになっていた。今回改めて出演作を見て当時人気を博したのも納得できた。

ただし裕次郎の相手役にとどまっているのは不満。ちょうど宝塚歌劇団のトップ娘役のようだ。主演作と呼べるものはあるのだろうか、とふと思った。

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