退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

特集ドラマ『裕さんの女房』を見た/松下奈緒と徳重聡が描く夫婦愛

先月NHK BSプレミアムで放送された特集ドラマ『裕さんの女房』(脚本:神山由美子、演出:黛りんたろう)を録画で鑑賞。原作は村松友視のノンフィクション小説『裕さんの女房 もうひとりの石原裕次郎』。主演は松下奈緒

裕さんの女房―もうひとりの石原裕次郎

裕さんの女房―もうひとりの石原裕次郎

タイトルの「裕さん」とは、言うまでもなく往年の映画スターだった石原裕次郎。どのドラマは、裕次郎徳重聡)の妻、石原まき子(松下奈緒)を主人公に描く夫婦の愛の物語である。リアルタイムで裕次郎を知らない世代が多数を占めるようになり、このドラマでは裕次郎がどんな人かを描くところから始めなければいけないのは難儀である。

裕さんの女房

ドラマは、52歳の若さで亡くなった裕次郎が人生の幕引きを迎えるようとするとき、妻・まき子が枕元に寄り添うシーンから始まる。その後、過去に戻り、彼女の生い立ち、日活で女優・北原三枝として活躍するなか裕次郎と出会い、周囲のの反対を押し切って結婚。その後、裕次郎石原プロモーションを設立し、映画製作の参画する。70年代になるとテレビに活躍の場を移して大衆の支持を得るも不治のに斃れて、冒頭の病床のシーンに戻る、という構成である。

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この構成は陳腐ではあるが、2時間ドラマではこうなるのも仕方ないのだろう。あまりに駆け足すぎて、これで裕次郎の「人となり」が伝わったのだろうか。日本映画ファンとしては、単発ドラマではなくじっくりと裕次郎と当時の映画業界を描いてほしかった。

主演の松下奈緒はなかなかよい。いつもは容姿端麗で育ちのよいことが仇になり、その役に合わないなと思うことも多い。2010年前半期の朝ドラ『ゲゲゲの女房』でもそう思ったが、本作では北原三枝役ということもあり、その点はクリアしている。まあ背が高すぎるとは思ったが……。

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相手役の裕次郎を演じた徳重聡は容姿はともかく声に説得力があったのはよかった。日活映画時代のまき子とのツーショットは美男美女で画になる。また徳重は背広姿が様になっていた点も加点したい。

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他の出演者では、酩酊した三船敏郎を演じた高嶋政宏はモノマネコントかと思ったが、実際もこのような感じだったのかもしれない。そのあたりはわからない。また、まき子の姉役の麻生祐未がいい熟れ具合だったことも付記しておきたい(完全に個人的な嗜好です)。

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総じてよく出来ているのだが、前述したように尺が足りない。現在放送中の朝ドラ『おちょやん』は浪花千栄子をモデルにしているが、それよりも石原まき子をモデルした朝ドラを見てみたい。