退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

iPhone 16e 発表で思ったこと

Appleの予告したとおり、iPhone 16eが発表された。
リーク情報どおり、SE3の後継のSE4ではなく、iPhone 16e」として新たな製品展開となった。

以下、製品発表で思ったことを列挙する。

価格設定

iPhone 16eの価格は99,800円から(米国では599ドルから)となっている。SE3が62,800円から(米国では429ドルから)だったことを考えると、スマホとしては「低価格」とは言えなくなった。Appleが日本の経済状況を考慮することはないだろうが、昨今の行き過ぎた円安により、日本市場では決して「お求めやすい」価格帯ではない。低価格版のiPhoneがなくなった。

この価格を見てiPhoneをやめてAndroid端末に乗り換えるのか、それとも渋々iPhone 16eに機種変更するのか、はたまた25,000円高い無印iPhone 16を選択するのか……。個人的には無印iPhone 16を推したいが、16eと無印との性能差を十分に吟味してほしい。サイズが変わらなくなったこともあり、無印が16eの完全上位互換となっていることに留意してほしい。

新モデムチップ採用

iPhone 16e」の隠れた注目点は、Appleが独自設計したセルラーモデム「Apple C1」が初めて搭載されたことである。チップの性能だけでなく他のハードウェアやソフトウェアなどと協働して低消費電力を実現しているのだろう。

ただAppleは十分にテストしているだろうが、Apple初のセルラーモデムがフィールドで安定して動作するかという不安はある。今回の新モデムチップ投入は、秋以降の本番モデルのための実験という意味もあるのかもしれない。

新モデムチップが成功すれば、将来MacBookにも搭載される可能性も出てくるだろう。期待したい。

MagSafe非対応

16eと無印との性能差でいちばん気になったのは、MagSafe非対応という点である。アクセサリーも市場に出回ってiPhoneの標準装備になると思ったが、まさかの非対応!

マーケティングの都合上、どこかで差別化を図る必要はあるのだろうが、MagSafeを外さなくてもいいだろう。カメラが単眼なのはSEの流れから仕方ないと思えるが、MagSafeは搭載してほしかった。

まとめ

とくに日本では顕著だが、本モデルは「廉価版」というにはあまりに高価格となった。日本市場で「iPhone離れ」が加速するのか、無印に流れるのか、いずれにせよ誰のための製品かわからなくなってきた。せめて7万円台ならばと思わずにいられない。もっともAppleは「日本の都合なんて知らんがな」ということだろう。

本モデルは、日本がすっかり貧しくなったことを確認するメルクマールとして将来認知されるかもしれない。