映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(2014年、総監督・脚本:出渕裕)を見てきた。前作『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』は映画館のあんちゃんに「これって映画じゃないんですよね〜」と言われて鑑賞料金が割引対象外だったが、今回はシネコンの割引が普通に使えた。
この映画はテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編だが、イスカンダルからの復路上の大マゼラン外縁部が舞台になっている。いちど地球に帰還して、その後、新たな強敵が出現してヤマト再発進という繰り返しのパターンよりはずっとよいだろう。
本作ではガトランティスという強大な敵な敵が出現する。艦隊のデザインはオリジナルの「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの白色彗星帝国を踏襲していてオールドファンのココロをわし掴みだ。この種族はクリンゴンを想起させる蛮族というわかりやすい悪役で、征服した種族からパクった科学技術は侮れない。「火焔直撃砲」といった懐かしい兵器も登場して、おっさんが興奮すること間違いなし。冒頭でガトランティスがガミラスの艦隊をフルボッコにするシーンは必見。
ストーリーは、テレビシリーズのオリジナルストーリー「魔女はささやく」(第14話)から派生してようなファンタジーだ。魔女と忌み嫌われているジレル人は滅びてなかったという設定だが、ジレル人の男性はどこにいるのかツッコミたくなるがまあ措いておこう。
ジレル人の精神攻撃によって地球人とガミラス人がホテルに囚われる話に尺が割かれているが、「はやく戦闘シーン見せろや!」と憤る人もいるだろう。観客の好みが分かれるところかもしれない。私は嫌いではない。
本作でややカタルシスに欠ける思うのは、ヤマト自体がコスモリバースに改造されているため波動砲が封印されている点だろう。やはりスクリーンで波動砲の発射シーケンスを見たい。もっとも波動砲使用不可とう制約があるから盛り上がるということもあるだろうが、やや不満ではある。
また今回、空間騎兵隊の斎藤が登場するのにも注目したい。すでに次作への伏線を張ったかと思うとあざとい気もするが、ビジネスだから仕方ない。オリジナルの「宇宙戦艦ヤマト」のように続編を乱造してワケが分からなくならないか少し心配である。
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