退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ヤマトよ永遠に』(1980) /「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」 劇場用映画の第3作

DVDでアニメ映画『ヤマトよ永遠に』(1980年、監督:舛田利雄松本零士)を鑑賞。「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」劇場用映画の第3作。

突如、暗黒星団艦隊による地球侵略が始まり、その圧倒的な戦力と科学力により人類はあえなく降伏。かろうじて地球を脱出した古代たちヤマトの乗組員たちは、小惑星に隠してあったヤマトに乗り込み敵本拠地の暗黒星団に向かう。しかし、辿りついた場所は何と未来の地球だった……。


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「さらば」とか「永久に」とか言いながら、一向に完結しない宇宙戦艦ヤマトにいい加減愛想をつかしたことを思い出す。「このキャラは前作で戦死してなかったか」といういい加減さにも呆れたものだ。しかし大人になって考えば「続編をつくれば儲かるのが確実だったら、そりゃつくるわな」ということ。世の中「ゼニ」ですわ、というわけで続編が作り続けられるワケだ。

というわけで、当時もアニメ映画としては興味を失っていたし、今見直しても見せ場が乏しく盛り上がりに欠ける。敵もなにげ弱いのも難点。ツッコミどころは多数あるが。

それでもあえて見どころを探せば、まず暗黒星団艦隊の地球占領軍・技術将校アルフォン少尉を演じた野沢那智。本作では、主人公である古代進とヒロインの森雪が別行動をとるいうレアな設定。そのなかで地球に残った森雪に思いを寄せるアルフォンを野沢が好演。この頃の声優は味があったなと思った次第。

また歌謡曲ファンとしては、布施明の主題歌と岩崎裕美の挿入歌が素晴らしいのも特筆しておきたい。前作『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の沢田研二で味を占めたのか、本作でも一流の作家と歌手が使われている。アニメがショボいものの、主題歌・挿入歌がカバーしているめずらしいアニメになっている。