退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『宇宙戦艦ヤマト』(1977) / テレビアニメの再編集版

DVDで映画『宇宙戦艦ヤマト』(1977年、監督:舛田利雄)を鑑賞。1974年に放送されたテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』(全26話)の総集編となる劇場アニメ映画。

西暦2199年,ガミラス星からの攻撃を受け地球は生命絶滅の危機に瀕していた。人類の希望を受けて、極秘裏のうちに建造された「宇宙戦艦ヤマト」は、遥か彼方のイスカンダル星まで放射能除去装置を受け取るために旅立つ。地球滅亡まであと365日……。


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日本アニメ史の画期となったあまりにも有名なテレビアニメだが、放送当初は視聴率が低迷し当初の予定話数から全26話に短縮された。そのため復路がほとんど描かれず子どもながらにおかしいと思ったものだ。

劇場版では復路が描かれると期待したが、それは叶わず単なるダイジェスト版である。全26話のダイジェストなので、当然のようにナレーションによる説明が過多となり、ひたすらストリーをカットしまくったうえで、ストーリーをなぞるだけになっている。

これならばテレビアニメ版を見たほうがずっとマシである。しかもテレビアニメでの締めである「人類滅亡まであと〇〇日」というナレーションがなくなっているので面白さ半減である。

まあテレビアニメ版は見てきていることを前提にして作られているので、「これでいいのだ」と開き直ることも可能であろう。

それでも富野喜幸によるテレビアニメ『機動戦士ガンダム』は、玩具メーカーのためのお約束などの不要な部分を削っていくと、きちんと一本の映画になるようにテレビアニメを作っていたという。劇場版ガンダムを見るとなるほどと思ったものだが、それに比べるとこの『宇宙戦艦ヤマト』はなっていない。テキトーすぎる。

余談だが、このDVDには「スターシャ死亡編」が特典として収録されていた。これはヤマトがイスカンダルにたどり着いたときには、既にスターシャが死亡していたというもの。古代守も登場しない。これは資料としては貴重であるが、とくに面白いというわけではない。

当時としては、テレビアニメが映画館で見れることだけでもファンは大喜びだったのだろうが、前述のようにテレビアニメ版を見ることを強くおすすめしたい。