退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【訃報】松本零士さん死去

宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」など宇宙や冒険をテーマにした壮大なSF作品で知られる漫画家の松本零士さんが、今月13日なくなったことが報じられた。85歳。

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松本零士先生の業績は多々あるが、私はもっとも影響を受けたのはテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」である。1974年にテレビ放送されたときは、まだ小さかったので「戦艦が飛ぶとか変なの」ぐらいに思っていたが、後にあらためて見ると大傑作だった。追悼企画でMXあたりで再放送されないだろうか。

この作品が嚆矢となり、「銀河鉄道999」「機動戦士ガンダム」「超時空要塞マクロス」「新世紀エヴァンゲリオン」といった日本のSFアニメの大ブームを巻き起こしたのだから大したものである。私がいい歳をしていまだにアニメを見ているのも「宇宙戦艦ヤマト」の影響が大きい。

1/500 宇宙戦艦ヤマト (宇宙戦艦ヤマト)

もっともアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は誰のものかという争いは裁判沙汰になり、ざっくりいうと「ヤマト」は西崎義展のものということになっている。ヤマトと西崎義展の関わりについては下の評伝が詳しい。

alltag.hatenablog.jp

このほかに印象に残っているのは漫画「ザ・コクピット・シリーズ」である。第二次世界大戦をベースにした短編漫画集。兵器類の精緻な描き込みや男の友情などに惹かれたものである。最近は漫喫に行っても昭和の巨匠の作品が置いてあることが少ない。図書館じゃないのだから仕方ないのだろうが惜しいことである。

余談になるが、私は松本零士先生の公演にでかけたことがある。ご自身の成功体験を通じて次世代に熱いメッセージを残したいという想いが感じられた。先生はめずらしくスーツ姿だった記憶がある。やはり生で姿や声に接した人の記憶はより強く残るようだ。

昭和がまた遠くなってしまった。