退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「安倍晋三氏、国葬決定」で思ったこと

参院選の遊説中に暗殺された安倍晋三元首相を追悼するために、岸田内閣は22日、首相経験者の葬儀としては戦後2例目となる国葬を行うことを正式に決めた。


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9月27日の国葬に向け、政府は国民の幅広い理解が得られるよう説明を続けるとのこと。この「国葬」については、市民や野党から反対の声が上がるなど賛否が割れている。現時点では国民の合意が得られているとは言えない。

実際、官邸前には市民ら数百人が集まり「国葬反対」と抗議の声を上げたり、市民団体が閣議決定と予算支出の差し止めを求める訴えを東京地裁に起こしたりする騒ぎになっている。私も「国葬」には反対だ。

そもそも「国葬」には法的根拠がない。戦前の国葬令は1947年に失効しており、いま「国葬」を行うと閣議決定することすらおかしい。まず「国葬」に関連する法整備を行い、「国葬」とは何なのか、国葬対象者の資格、国葬を行うときの手続きなどを国会で決めるべきだろう。

さらに「国葬」という言葉の響きもよくない、どうしても山本五十六などの戦前の国葬を想起してしまい、戦前の全体主義の亡霊を払拭できない。安易に「国葬」という言葉を使うべきではないだろう。

いずれにせよ、これまでの慣例どおり、内閣と自民党の合同葬で何が問題があるのかまったくわからない。閣議決定で「国葬」を強行しようする岸田文雄首相はだれかに忖度しているのか。

それでも誰が何を言おうと岸田政権は「国葬」を強行するのだろう。政権与党は、先の参院選で大勝して、しばらくは国政選挙がない「黄金の3年間」を享受している。やりたい放題だ。

私などは、こんなつまらないことで政治コストを使っていいのかと思うが、岸田首相にはどうしても「国葬」をやらなければいけない事情があるのだろう。やれやれ。