- 作者: 阿部紘久
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2009/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、文書構成といったマクロな視点ではなく、主に文単位でわかりやすく書くテクニックに重点を置いている。項目ごとに原文と改善案を示して、ポイントを説明する形式はわかりやすい。また実地で収集したと思われる例文が多く収録されているのも参考になる。横書きなのも理にかなっている。
その一方で改善の根拠が示されていないケースが散見されたのは気になった。文法上の学術的な説明を加えるのは、この本の本分ではないのだろうが、その道筋ぐらいは示してほしい。
とくに「てにをは」といった助詞の使い方を説明するのは無理だとあっさり切り捨て、「体内辞書」に頼るべきだとまでいう。言語感覚が大事だということだろうが、少しは理論的な説明も求めたいところだ。
あとがきで、良い文章を書くための資質を挙げている。有用なので書き写しておく。
- 自分の頭で感じたり、考えたりする習慣
- 相手の身になって感じたり、考えたりする想像力
- 健全な言語感覚を持つこと
最後の「健全な言語感覚」というのは、とくに難しそうだ。