先週、新文芸坐で鑑賞。「野上照代が選んだ映画たち」という企画の初日。今村昌平監督作品。
稀有の犯罪者を演じた緒方拳は、たしかに大熱演なのだが、どうも腑に落ちない。結局、凶悪犯・榎津巌を軌道なき犯罪に駆り立てたのは何だったのか釈然としないからだ。何か隠されていた事実が終盤に明らかになるかと思いきや、呆気なく終了。
結局、殺人現場の臨場感と女優陣の肉体だけが印象に残る映画だった。まあ、三國連太郎と倍賞美津子との露天風呂での絡みは、自分的にはランクインするエロシーンなわけだが…。
個々のシーンには観るべきものがあるが、全体的には以前観たときも意味不明だったけど、いま見てもよくわからない映画だった。
おそらくキリスト教を背景とした深遠なテーマがあるのだろうが、正直伝わってはこない。このタイトルの「復讐するは我にあり」は、「悪行を為した者への復讐は神に委ねよ」と、いったことだと理解するが、映画のストーリーとの関連がわからないのである。