Amazonプライム・ビデオで映画『約束のネバーランド』(2020年、監督:平川雄一朗)を鑑賞。2016年から「週刊少年ジャンプ」で連載された、原作:白井カイウ、作画:出水ぽすかによる人気コミックの実写化作品。実写映画が公開前にテレビアニメが放送され、メディアミックスが展開された。
(あらすじ)楽園のような孤児院「グレイス=フィールドハウス」(GFハウス)で暮らす孤児たちは、“ママ"と呼ばれているイザベラ(北川景子)のもと、里親に引き取られる年齢になる日を待っていた。エマ(浜辺美波)、レイ(城桧吏)、ノーマン(板垣李光人)の3人も、いつか外の世界で暮らすことを夢見ていた。しかしある日、3人はGFハウスのある秘密を知ってしまい、孤児たちを引き連れた脱走を企てるが……。
原作コミックは未読だが、テレビアニメを見ていた。GFハウスから脱走するまでを描いたテレビアニメ第1期は、とても面白かったので期待して見始める。うーん、コレジャナイ。
そもそも金髪カツラの日本人が外国人の名前を持つ登場人物を演じるには無理がある。舞台ならば、それでアリかもしれないが、実写映画でそれをやられるとかなり胡散臭い。孤児が“出荷”される年齢が12歳から16歳に引き上げられているのも都合良すぎる。浜辺美波ありきの企画だったのだろうか。
こういう日本映画で芝居云々を語っても意味がないかもしれないが、レイ役の城桧吏の演技が壊滅的だったのにはゲンナリした。意図的にウマ下手を活かした演出プランなのか、それともどうしようもなくスルーされたのか……。これは監督がなんとかするべき案件だろう。
キャストのなかでは渡辺直美のユニークさが際立っていた。なんかやってくれそうな雰囲気だったが、結局たいした見せ場もなく退場してしまうのは惜しい。
またストーリーはアニメを見て知っていることもあり、筋がわかっているドラマを見せられるのはつらかった。いずれにしてもコミックの実写化は難しいことを再認識させられた。
それでも、なんとか最後まで見れたのは原作コミックが備えている魅力によるものだろうし、いまや売れっ子女優となった浜辺美波の底光りを垣間見れたことによるだろう。