退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」 @世田谷文学館

世田谷文学館で開催中の展覧会「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」 を見てきました。原画ファンとしては見逃せません。

江口寿史といえば、代表作に『すすめ!!パイレーツ』、『ストップ!! ひばりくん!』などがある漫画家。私としては80年代を最も感じさせる漫画家のひとりです。

とりわけ私は、「週刊少年ジャンプ」に連載されていた『ストップ!! ひばりくん!』が、ジャンプ誌らしからぬポップな作風で大好きでした。しかし子どもながらに「え?」と思っているうちに連載は売り切られてしまし、作品は未完となっています……。いったい何があったのか、と当時思ったものです。

ストップ!!ひばりくん!コンプリート・エディション 第1巻

江口先生の魅力は、「かわいい女の子」の表現に尽きます。この魅力を存分に味わうことができる展示で満足しました。また本展ではイラストレーターとしてよりも、漫画家・江口寿史にフォーカスした展示となっていて、個人的には80年代に思いっきりタイムスリップできる展覧会でうれしかったです。

会場には江口寿史が選曲したBGMが流れていました。セットリストは会場内のQRコードで参照することできました。こうした配慮もナイスでした。

私的新発見としては、江口先生が今敏監督のアニメ「パーフェクトブルー」のキャラクター原案を務めていたこと。岩男潤子がヒロインの声を演じていて私が好きなアニメ作品です。LD(死語)の展示がありましたが、LDのジャケットのイラストも江口先生の筆によるものだったのでしょうか。

さて、まったくの余談ですが、江口先生が元アイドルの水谷麻里と結婚した聞いたときのショックも記憶に残っています。水谷麻里と言えば、「21世紀まで愛して」「地上に降りた天使」などの筒美京平サウンドでデビューを飾りB級アイドルながら、私のお気に入りでした……。なんやかんや言っても、江口先生は人生の勝ち組だな思った次第です。はぁ……。