退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

NHK「BSプレミアム」が終了して思ったこと

NHKは、12月1日0時から衛星放送3波体制を変更し、現在の「BS1」「BSプレミアム」「BS4K」から、「NHK BS」「NHK BS プレミアム4K」の2波体制に移行した。長年放送されてきた「BSプレミアム」の通常放送は、この時点で終了となった。

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この歴史的イベントは見逃せないぞと、11月30日に放送された特別番組「BSプレミアムがお引っ越し! カウントダウンSP」を見ていた。BS1BSプレミアムの魅力をひとつに凝縮すると謳っていたが、事実上の規模縮小なのは明らかで、どの番組が切られるのかと思いながら見ていたが、そうした情報は一切なかった。

上記の特別番組では、現在のBSプレミアムの主な番組を紹介しながら、番組は引き続きNHK BSで見られることを紹介していた。チャンネルが半分になるというのに、なぜそのまま引っ越せるのか不思議だ。編成がスカスカだったのか、それとも涙を飲んでこっそり終了する番組があるのか……。

紹介された番組を見ていると、これを全部「公共放送」として制作・放送する必要があるのか疑問に思った。少なくとも音楽番組やテレビドラマ、バラエティ、映画などのエンタメは民営化して、民放とイコールフッティングでやるべきである。強制的に「受信料」を徴収して、見たくもない番組を放送するのはまったくおかしい。見たいエンタメ番組ぐらいは自分で決めたいというのが人情だろう。

唯一、公共放送に必要だと思ったのは「国際報道」ぐらいだろうか。健全なジャーナリズムは民主主義のコストとして甘受してもいい。とは言っても、NHKの報道は時の政権を忖度しており、国内報道はまったく物足りないことも付言したい。

昨今の日本経済の停滞により、人々の生活が苦しくなっているなか、NHKへの風当たりは強い。いまこれほど忌み嫌われている組織も少ない。もうNHK職員の子どもが受信料制度をネタにイジメにあっても驚かない。今回のチャンネル削減も、こうした人々の不満に対する「ガス抜き」という意味もあるだろうか。

いずれにせよ、NHKを改革できるかどうかが日本が復活できるかどうかのリトマス紙ではないか、と私は思っている。しかし真剣にNHK問題に取り組む政治家はいない。減税するより攻めるならここだろう。岸田政権がジリ貧でなんの成果を残せずに早々に退陣するのは、既定路線に思える。せめてNHK改革に先鞭をつけるぐらいのことをやれば、歴史に少しは爪痕を残せるのではないか。

余談だが、特別番組を見ながら「停波」の瞬間に立ち合おうと思ったが、停波するのは2024年3月31日とのこと。それまでBSプレミアムで使われていた103チャンネルでは、番組の移設を案内するテロップを常時表示されている。停波を見れずにがっかりだよ!

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