退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

コミック「ラーメン発見伝」を読了する

原作・久部緑郎、作画・河合単によるコミック「ラーメン発見伝」(全26巻)を読了した。雑誌『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で、1999年から2009年にかけて連載されていた、ラーメンを題材にしたグルメ漫画。ラーメン漫画の金字塔。

主人公の藤本は商社マンだが、将来脱サラしてラーメン店を開業する夢を持っており、昼は会社に務め、夜は会社に内緒でラーメンの屋台を引く二足のわらじを履いていた。同僚の女性社員佐倉は、評判のラーメン屋台を訪れたことで、藤本の秘密を知ることになり、その後、藤本の夢を応援していくことになる……。

ラーメン発見伝 コミック 全26巻完結セット (ビッグコミックス)

単発ストーリーでストーリーが展開する構成で、連載時に断片的に読んでいたが、最後が気になっていたので通読することにした。一応、グルメ漫画にジャンル分けできる作品だが、単なるグルメ漫画にとどまらず、コストや集客、マーケティングなどの店舗経営の真髄に言及するなど、主人公が開業に向けて知るべき知識を次々に獲得していくところがミソとなっている。

ラストは予想通りに大団円。藤本が佐倉にプロポーズして結婚、二人で退社してラーメン店を開業する。そこにこれまで関わりのあった人々が店に大集合する、というわかりやすい結末。ラストに向かう盛り上げかたも絶妙で後味のよいエンディングだった。めでたしめでたし。

本作のスピンオフとも言える、『らーめん才遊記』と『らーめん再遊記』が同じ原作・作画コンビで描かれている。後者は現在も連載中。こちらもいずれ読んでみたい。

ちなみに、本作は2004年、国分太一主演でテレビドラマ化されたらしいが未見。ちょっと見てみたい気もするが諸般の事情により再放送は難しいだろう。映画とちがって、昔のテレビドラマを発掘するのは骨が折れる。アーカイブして公開する仕組みがほしい。