退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】『音声ガイドで 聴く名画』(サンクチュアリ出版、2023年)

いわゆる絵画解説本ですが、タイトルどおり「音声ガイド」で解説を聞くというユニークな本です。

私は美術展に行くといつも音声ガイドを利用します。結構お高いのですが、必見の作品を見逃すことがない、作品への理解が深まる、贔屓の声優のガイドを吹き込んでいることがあるなどが、その理由です。

この本ではQRコードで専用サイトにアクセスすると、大塚明夫による音声ガイドを聞くことができます。書籍には絵画だけで文字による解説はありません。文字で読みたい人は音声ガイドのサイトに原稿を参照できます。装丁が見開きで閉じないようになっているのは、よい工夫です。

まるで美術館に行っているような気分が味わえますが、やはり本物の質感は感じられません。当たり前ですね……。とくに大きな絵画の場合はなおさらです。

ベテラン声優である大塚明夫の解説は落ち着いていてさすがですね。万人受けするのでしょうが、個人的には半分ぐらいは女性声優で音声ガイドを聞きたかったです。ふたりの掛け合いのコーナーがあるとさらによかったかもしれません。

一昔ならCDが付いてくるところですが、いまどきは専用サイトによる音声配信ですか。時代は着々と進んでますね。書籍の新しい可能性を感じさせる本でした。一度体験してみてはいかがでしょう。