退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『地球防衛軍』(1957) / 東宝初のワイドスコープによるカラー特撮映画

少し前に〈午前十時の映画祭13〉で上映されていた映画『地球防衛軍』(1957年)を鑑賞。監督は本多猪四郎特技監督円谷英二、主演は佐原健二。4Kリマスター版。

富士山山麓で奇怪な山火事と山崩れが頻発し、一集落が全滅する。調査団が現地を訪れると、そこに怪獣ロボット・モゲラが出現する。モゲラ出現が異星人の仕業と推測した調査団が、UFOが頻繁に目撃されている地点に到着すると、突如巨大なドームが出現する。そのドームのからミステリアンと名乗る異星人が、ドームから半径3キロの土地と地球人女性との結婚を要求してくるが……。


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後に『妖星ゴラス』『海底軍艦』など数々の名作を産んだ東宝特撮の歴史がここから始まった。4Kリマスターするのにふさわしい歴史的作品。率直に言えばストリーは陳腐だし、鮮明になった映像からは特撮のアラも見える。それでも「細かいことはいいんだよ」と言いたくなる魅力溢れる作品であるし、もはや古典の域にあると言えるだろう。

東宝シネマスコープの広い画角を活かした特撮映像はいま見観ても迫力満点。そのこに伊福部マーチが高らかに鳴り響くという、特撮ファン垂涎の1本である。

4Kリマスターの作業は、公開当時の状態にできるだけ近づけるという方針で行われているが、この作品では光線シーンの光学合成でついてオリジナルにあった傷も除去したという。すなわち4Kリマスター版では、公開時のニュープリントよりもキレイな映像を見ることができる。

この作品は新文芸坐の土屋嘉男の追悼企画で観たことがある。

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名画通いしていたころの記憶をたどると東宝のフィルムはどれも状態がイマイチのこと多い印象がある。今回4Kリマスター版で見直すことができて本当によかった。次は『妖星ゴラス』のリマスタリングを是非お願いしたい。

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