再放送されていたテレビドラマ「ブラックジャックによろしく」(全11話)を見終わった。原作は佐藤秀峰による同名漫画、主演は妻夫木聡。このドラマは2003年にTBS系列で放送されたので、20年前の作品である。
名門大学病院を舞台に研修医・斉藤英二郎(妻夫木聡)が、日本医療が抱える数々の問題に直面しながらも、それらに真摯に向き合い成長してく姿を描く医療ドラマである。
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偶然、原作漫画である『ブラックジャックによろしく』と『新ブラックジャックによろしく』を今年になって再読していたので興味津々で再放送を見ていた。ドラマは基本的には原作に沿った内容になっているが、上手く翻案されていて嫌味はない。ドラマは主人公の葛藤によりフォーカスしており、それを克服していく姿を描くことで成長譚としての演出が明確になっている。
このドラマのユニークな点は、研修医が診療科をローテーションするたびに次々に場面展開して新しいテーマと対峙することになることだろう。当然新しい指導医が登場する。指導医や患者を含めキャストが豪華なのも魅力である。
ちなみに最後の指導医は小児科医を演じた鹿賀丈史だった。またドラマ冒頭で、主人公がバイトで当直医を務めているとき、重症の患者から逃げ出す場面がある。そのときの院長役が緒形拳で最終話にも登場する。もう晩年に近かったはずだが、登場するだけで芝居を支配してしまうのはさすがというところ。
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女優陣では看護師役で鈴木京香と国仲涼子が出演している。このふたりの設定は原作とは違う点も多いが、鈴木京香がいい女を演じているのは貴重。赤城カオリ役を演じていいのは鈴木のほかには、稲森いずみぐらいだろう。原作では後半以降シリアスな展開となる。主人公とふたりとの関係は「移植編」を読んでいると苦しくなるほどが、このドラマではまあまあ明るく描かれている。
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原作が優れていることもあるが、「ドラマのTBS」と言われていたころの残滓が感じられる、重厚なヒューマンドラマであり、傑作ドラマと言っていいだろう。つよくオススメします。
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余談だが劇伴のサックスソロがとても印象に残っている。ずいぶん前に見たドラマだがこのフレーズだけははっきりと覚えていた。クレジットによると音楽は長谷部徹が担当している。オリジナルだろうか。とても気になる。サントラあるかな。