退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビドラマ「泣くな研修医」を見終わった

テレビ朝日の「土曜ナイトドラマ」枠で放送されていた、テレビドラマ「泣くな研修医」(全10話)を見終わった。原作は中山祐次郎の同名小説。脚本は樋口卓治、主演は白濱亜嵐。

episode1 同期って仲間ですか?

地方国立大医学部を卒業後、都内総合病院の外科で研修することになった研修医の雨野(白濱亜嵐)が、同期の研修医(野村周平柄本時生恒松祐里)とともに、医師として成長していく姿を描く。

深夜枠ということで低予算だが、制約が少なく自由に制作されている様子が伝わってくる。研修医を主人公にする医療ドラマなので、患者を初めて看取ったりするシリアスな場面もあるが、全体的に明るいドラマに仕上がっている。

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オープニングで登場人物が踊る医療ドラマはめずらしい。研修医同期は4人のほかに、もうひとりちがう色のスクラブは指導医役の木南晴夏。彼女が研修医に対するアタリは強い。一歩まちがえればパワハラだ。医療現場はこんなものかもしれないが……。

episode2 研修医って何者ですか?

回を追うごとに、研修医たちのキャラがはっきりしていくのもよい。ただし、このドラマは30分枠なので、複雑なストーリー展開は難しかったかもしれないが、やや脚本が単調な気もした。ある回などは、患者さんが、看護師や医師たちと松田聖子の「青い珊瑚礁」を屋上で踊って、すべて解決というオチだった。これは新しいと思ったが、同時に「え、これでいいのか?」と思ったものだ。

主演の白濱亜嵐はフレッシュと言えばそうだが、演技が生硬で発展途上という感じ。深夜枠だから仕方ないのかもしれないが、ドラマの出来としては惜しい。

また、研修医の紅一点・恒松祐里は別の意味で印象に残った。最終回の放送直前にNetflixのドラマ「全裸監督2」でヒロインを体当たりの演技を披露して大いに話題になっていたからだ。このドラマの研修医役が吹っ飛んだぐらいのインパクトがあった。

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医療ドラマが好きだということもあるが、今シーズンのドラマなかでは面白く見れた。原作ファンからは、「原作のほうが断然面白い」という声も聞く。いずれ原作も読んでみたい。

余談だが、この「土曜ナイトドラマ」枠は本作が最後らしい。個人的には、力の抜けた深夜枠ドラマが好きなので枠がなくなのは残念。これからはNetflixなどのネットで面白い作品が生まれる時代なのだろう。