退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

コミック「Dr.コトー診療所」を読了! 完結してないけどね…

山田貴敏によるコミック「Dr.コトー診療所」(既刊25巻)を読み終わった。2000年に「週刊ヤングサンデー」で連載開始し、その後「ビッグコミックオリジナル」に移籍して連載を続けるが、2010年に掲載が途絶えている。現在、長期休載中である。2003年には吉岡秀隆主演でテレビドラマ化されている。

Dr.コトー診療所 コミック 1-25巻セット (ヤングサンデーコミックス)

コミックを読み直そうと思ったのは、昨年6月18日から7月9日の4週にわたり、、「Dr.コトー診療所2004」(2004年11月12、13日放送、主演・吉岡秀隆)が再放送されたのがきっかけである。新型コロナウィルスのため石原さとみ主演の新作ドラマが間に合わなかったことによる再放送だった。初回放送から16年。昨年末あたりから少しずつ読み進めて、最近ようやく読み終わった。

東京の大学病院の勤務医・五島健助が、ある理由から離島の古志木島の診療所に赴任する。島は無医村状態だったが、これまでロクな医者が来たことがないため、まったく期待されなかった。しばらくして漁師・原剛利の息子が最初の患者となり、見事な手術でこれを助ける。原はお礼に看板をつくるが、そこには「Dr.コトー診療所」となっていた。それ以後、さまざまなエピソードを重ねながら次第に島民の信頼を得ていくことになる……。

大門未知子ほどではないが、主人公・五島健助もスーパードクターといえる。従来応急処置をして本土の病院に搬送していた重症患者を、劣悪な環境のなか手術して助ける。当初は設備がほとんどなかった診療所が次第に機材が充実していくあたりもちょっとよい。こうした卓越した医療技術もさることながら、なにより誠実なキャラクターにより島民たちの信頼を勝ち取っていく流れが素晴らしい。

先述のようにコミックは完結していていない。既刊最終巻である第25巻には、五島の診療所にいわくありげな研修医がやって来るのだが、そのエピソードは未完となっている。

主人公・五島と看護師・星野の恋の成り行きや、医師を志し本土の中学校に進学した原剛洋の行く末などが気になる。さすがにこれだけ長期休載が続くと再開は難しいだろうが、いつかは続きを読んでみたい作品である。

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まったく余談だが、テレビドラマで大塚寧々が演じたスナックのママは原作コミックには登場しないことに気がついた。ドラマのオリジナルキャラクターらしい。「こんないい女は離島にないだろ」と思ってドラマを見ていたことを思い出す。