昨今マイナンバーカードの巡るトラブルが続出して世間を騒がせている。
そのなかで「コンビニで住民票交付を申請したら他人の住民票が印刷された」というトラブルについて、いちばん不思議に思っていた。なぜそうしたことが起こったのか技術的原因を知りたいと思っていた。
ふと暇つぶしに少し前の雑誌「日経コンピュータ」(2023.4.27)を読んでいると、連載「動かないコンピュータ」にこのトラブルの詳細が載っていた。「負荷上昇で潜在バグが表面化」というタイトルのとおり、富士通JAPANが提供している印刷処理管理機能に論理的なバグが潜在していたということらしい。詳細は記事をぜひ参照してほしい。
驚いたのは印刷処理を逐次処理しており、処理はすべて同一ファイル名を使用しているために簡単にファイルを上書きしてしまったという点。記事のなかである大学の先生も指摘していたが、印刷要求とファイル名を紐付けるなど安全に印刷できるようにしないのだろうか、と私でも思ってしまった。
もちろんロジックさえ正しければ問題なく動作するのだろうが、あまりにも脆弱でないだろうか。実際、大きなトラブルが起こっているわけだし……。
それにしてもコンビニで他人の住民票が印刷されたのに遭遇した人はさぞびっくりしただろうな。
マイナンバーカードに関わるトラブルを見るにつけ、「日本は本当にもうダメかもしれんね」と思わずにはいられない。