【映画感想】『GONIN』(1995) / 石井隆監督によるバイオレンス・アクション映画

新文芸坐の《追悼 石井隆 堕ちゆく者たちの美学》という石井隆監督の追悼上映で映画『GONIN』(1995年)を鑑賞。

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借金まみれのディスコ「バーズ」のオーナーの万代（佐藤浩市）は、暴力団大越組から返済を迫られていた。追い詰められた万代は、元刑事（根津甚八）とホモ美青年（本木雅弘）を誘い、大越組の金庫襲撃の計画する。そこにチンピラ組員（椎名桔平）とリストラ会社員（竹中直人）が加わり計画が実行された。計画は成功し、5人は大金を手に逃走する。組に雇われたヒットマン（ビートたけし）とその部下（木村一八）がGONINを追う……。

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石井監督に潤沢な予算とまっとうな役者を与えられたるとこうなりましたという映画。プロデューサーの奥山和由の手腕によるものだろうが、出演者だけ見てもなかなか贅沢な映画である。

まず錚々たる出演陣に驚くが、なかでもヒットマンを演じビートたけしの存在感が圧倒的。組を襲ったGONINが次々に最期を迎えるシーケンスが素晴らしい。ラストのヌーベルバーグを思わせるエンディングも狙いすぎだが悪くない。

基本的に男たちの映画なので女優たちの出番は多くないが、横山めぐみや川上麻衣子、栗山千明を劇中で見つけてみるのも一興だろう。

監督の持ち味なのだろうが、陰鬱で内容的にも重いので見る人を選ぶ映画である。それでも国産バイオレンス・アクション映画の金字塔と言っても過言ではない。監督の追悼作品としても相応しい。