退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『エレキの若大将』(1967) / 加山雄三主演「若大将シリーズ」の第6弾

新文芸坐で《名画座かんぺ10周年ご褒美企画 のむみちpresents 没後50年 飯田蝶子“婆優”一代》という企画で、映画『エレキの若大将』(1965年、監督:岩内克己)を鑑賞。加山雄三主演「若大将シリーズ」の第6弾。マドンナは星由里子。当日は若大将二本立て。

f:id:goldensnail:20220120221959j:plain

飯田蝶子特集というのがシブすぎる。飯田は「若大将シリーズ」で、主人公・雄一の祖母としてレジュラー出演した。本作ではモンキーダンスを披露。名画座ならではのナイスは企画。

アメリカンラグビー部(死語)の次期キャプテンに任命された田沼雄一(加山雄三)は就任祝いの宴会を開いた。その帰り道、青大将(田中邦衛)が飲酒運転で交通事故を起こし、同乗していた雄一がその罪を被ることになる。その事故の相手は楽器店に勤める星山澄子(星由里子)だった。若大将たちは澄子への賠償金を稼ぐため、勝ち抜きエレキ合戦に出場することにするが……。

www.youtube.com

ヒット曲「夜空の星」「君といつまでも」が劇中歌に使われていて、お約束どおりの楽しいストーリー展開が楽しい。

出演者も昨年鬼籍に入った人もいて追悼上映としても見ることができた。田能久が融資を依頼している銀行頭取の息子にジェリー藤尾が扮しているし、「エレキの神様」寺内タケシがそば店員役で後に若大将に参加してギター演奏を披露している。さらにエレキ合戦の司会者役に内田裕也が出演していることにも注目したい。

ラストで日光にいる若大将が、東京のアメフトの試合に間に合うのかとハラハラさせられるが、なんとヘリでスタジアムまで飛んできて無事間に合い、京南大がラスト8秒で大逆転する。田能久での優勝祝賀パーティーで若大将が「君といつまでも」を歌って終劇。

なんとも「若大将シリーズ」らしい一本で実によくできている。シリーズ屈指の名作。

f:id:goldensnail:20220120221956j:plain