退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】ひろゆき(西村博之) 『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス、2020年)

私がニコ生に入り浸っていたころ、番組内でひろゆきはいつも遅刻していた。大人なのに大丈夫なのか、と思ったものが、改心してタイムマネジメントの本を出すまでになったかと感慨無量。

しかし案の定そうではない。凡人は「やるべきことをやるために時間を確保する術」を求めてタイムマネジメントの本を手に取るが、この本はまったく違う着想で書かれている。その点では、まったく役に立たない。

利己的な本。「時間は自分のために使う」というポリシーは終始ブレない。提示されるのは「時間をかけずに、コスパよくひとり勝ちする」方法であり、大げさに言えば、生き方を問う本でもある。

遅刻については、「『遅刻』とのつきあい方」(p.158)というセクションで言及していている。遅刻して何が悪いとばかりに開き直る姿勢は、一周してすがすがしさすら覚える。そんなひろゆきだが、飛行機に乗り遅れるのはダメージが大きいらしい。その対策は、朝から何も食べずに空港のラウンジで食事すること。なるほど。

まあ組織で働く凡人には、タイムマネジメントの本としては何も得られない。それでもひろゆきの考え方には気づきがあるし、実際に生活に取り入れてみようと思うこともあった。読みやすい本なので、すぐに読み終えることができる。自腹で買う必要もないが、友人に借りるなりしてざっと読んでみると発見があるだろう。

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