この本は、ストレスフルな現代社会で、行動力・創造力を生み出し精力的に働くには、「すぐやる脳」が必要だと説きます。そのためには下に示す効果的な三つな法則があるとのこと。
- 瞬間トップスピードを習慣化する(仕事を立ち上げてすぐにトップスピードに)
- 雑談の時間をつくる(コミュニケーションが大事)
- ベストエフォート方式(やれる範囲のことをやる)
こうした「掴み」から始まり期待して本書を読み始めますが、体系的に書かれているわけではなくまとまりがありません。タイトルの「すぐやる脳」というのも脳科学者だからとりあえず「脳」という言葉を入れておこうか程度のことでしょう。別に脳科学者ならでは視点があるわけはありません。典型的な自己啓発書です。
それでも細かいところで気付かされることもありますし、大事だと思われる内容は太字になっていて読みやすいので、不思議と一冊読んで損したなとは思いません。
ひとつだけ気になったことを紹介します。ToDoリストの話です(p.166)。先日、GTDの本を読んだところだったのでとくに印象に残りました。
- 作者:デビッド・アレン
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2015/11/26
- メディア: 単行本
この本によれば、普段から自分自身とつねに対話しながら仕事や勉強に向かっていると、次第に脳の中の「柔らかいToDoリスト」の全体像ができ上がっていくそうです。そして臨機応変に重要なことに取りかかれる「すぐやる脳」ができていくとのこと。
そんなバカなと思いましたが、達人のなれば朝起きて夜寝るまで、映画のようなひとつながりのイメージを持つことができ、一日の仕事や勉強の流れを「イメージ」でとらえることで、脳の中に順々と「次の仕事」が意識されていく。つまり「柔らかいToDoリスト」とは、メモ帳などに整然と書かれたリストではく、イメージ(画像や映像)が連なったリストと考えるべきだと。
言ってることは分からなくもありませんが、こうした「柔らかいToDoリスト」を持つためには、どのような準備やトレーニングが必要なのか具体的な方法を教示してほしいものです。いつかは「柔らかいToDoリスト」を脳内に持ってみたいものです。