今年は庵野秀明の年だったといっても過言ではない。
映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されて、ついてにエヴァンゲリオンシリーズが完結した記念すべき年だったし、それに伴い庵野秀明のこれまでの仕事があらためて評価された年でもあった。
Amazonプライム・ビデオに庵野監督の作品がずらりと公開され、NHKでは映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作過程を追ったドキュメンタリーが撮られて話題になった。さらには、国立新美術館では「庵野秀明展」が開催されて人気を博した。
そうしたこともあり、安野モヨコ『監督不行届』を読み直してみた。
この本は、上述したNHKのドキュメンタリーにも登場する庵野監督の配偶者である安野モヨコが。庵野秀明との愛おしいオタク生活を描いたコミック。2005年に刊行された。
いま読んでもふたりの「愛」が伝わってきてほのぼのした気分になれる良書。「庵野秀明展」を見るにつけクリエイターとしてこれ以上望むことができないほど大成したのはたしかだが、それ以上に伴侶に恵まれている。そのことこそ「人生の勝者」というに相応しい。
巻末のやたら詳しい用語集も楽しいし、作中に出てくる特撮やアニメの音楽をさがして実際に聞いてみるの一興である。
ちなみに、このコミックは2014年にアニメ化されている。カントクくん&ロンパースの声は、山寺宏一と林原めぐみがあてている。この庵野秀明ブームのさなか、アマプラで配信されないかなと期待したが残念ながら公開されていない。第1話だけ公式がYouTubeで公開している。