退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021) / すべての「エヴァンゲリオン」シリーズの完結編

近くのシネコンで『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021年、総監督:庵野秀明)をようやく鑑賞。公開直後は避けて鑑賞する予定を入れていた。先日、そのスケジュールどおりにシネコンで見てきた。

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テレビ東京でテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が始まったのは、1995年10月のこと。その後、旧劇場版、そして2007年から始まった新劇場版と四半世紀を経て、ようやく完結したことになる。感無量というか。これは映画館で見るしかない。


『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告【公式】

内容についてネットに考察・批評が溢れているが、自分自身は整理がついていない。とにかく終わったという事実がが重い。個人的には戦艦による戦闘シーンも素晴らしかったが、「第3村」のパートがいちばん好きだ。初期から登場した主要キャラクターに落とし前をつけるためのパートなのだろうが、コミューン然とした雰囲気がすばらしく思えた。

後半、庵野節ともいうべき雑さも感じられたが、もう終わりなのだから本人が納得してればそれでいいのだろう。作家が納得すればいいじゃない、と思わせる映画はそれほど多くはない。これはエヴァンゲリオンならではのことかもしれない。

そう思うのは、NHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀『庵野秀明スペシャル』」を偶然見てしまったことも影響しているかもしれない。本作については、極力、事前に情報に触れないようにしていたが、偶然見始めた「プロフェッショナル…」はついつい最後まで見てしまった。この番組で描かれていた庵野監督の苦悩や葛藤を見るにつけ、「ああ終わってよかったな」と思わずにはいられない。

声優についても少し触れたい。すでに四半世紀も続いてる作品であるが、テレビアニメで主要キャラクターたちを演じた声優が、完結編である本作でもそのまま同じ役を演じ続けたというのも僥倖である。本編を見た後、声優たちが勢揃いした舞台挨拶の映像を見てあらためて心にこみ上げるものがあった。


『シンエヴァ』声優14名集結!シリーズ完結への思いを語る 映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』来場御礼舞台あいさつ

これで庵野秀明監督はエヴァンゲリオンの呪縛から解き放たれて新しいフィールドで活躍してほしいと切に願う。遅すぎた感はあるが今後の作品に期待したい。