退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

また「10万円給付金」というバラマキが始まったワケだが…

総選挙が終わり政局が始まったとたん、10万円給付金の話題がかしましい。

公明党は、10月の衆議院選挙で「18歳以下の子どもに、一律10万円を給付する」という「未来応援給付」を公約として掲げていた。これは18歳以下の子供を対象に、所得制限なしで現金10万円を一律給付するというもの。

しかし今回、自民党公明党の案を丸飲みせずに、所得制限を設けるように提案している。単独過半数を獲得した自民党はやけに強気のようだ。

これまでも公明党のゴリ押しによる「バラマキ」は目に余っていた。なぜ自民党公明党の言うがままになってしまうのか。それほど公明党選挙協力がほしいのか。そう思っていた。

そもそも18歳以下の子どもだけに給付するという発想が理解不能。「未来応援給付」などと耳触りのよいことを言っているが、いま困っている人がいるのに「未来応援」とか言われても空虚である。子育て支援は大事かもしれないが、今回の給付金とは別に考えるべきだろう。子どもを持つ世帯以外に、もっと困っている人たちがいるはずである。

本来ならば困っている人たちに対してプッシュ型で支援が届く仕組みが必要だろう。安倍政権下での国民一律給付は、前例のないコロナ禍に対する方策として仕方ない面もあったのだろう。しかしその後、困窮者を選別する手段を用意できなかったか。怠慢である。

所得制限が設けようと設けまいと、「18歳以下の子どもに一律」に給付するという考え方が基本的におかしい。どういう理屈でこうしたバラマキができるのか本当に不思議である。意思決定のプロセスを透明化してほしい。

いよいよ日本はダメかもわからんね。

自公政権とは何か (ちくま新書)