退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『北海の暴れ竜』(1966) / 梅宮辰夫主演のアクション映画

YouTubeの「TOEI Xstream theater」チャンネルで配信されていた、映画『北海の暴れ竜』(1966年、監督: 深作欣二)を鑑賞。主演は梅宮辰夫。

北海道の小さな漁港・神別(しんべつ)。オホーツクの荒波逆巻くこの漁場は、新興勢力の暴力一派・芦田組がから不当に搾取され続けていた。そこへ風来坊の旅を続けていた網元の次男・次郎(梅宮辰夫)がふらりと帰ってきて、芦田組の暴力から漁場を守るため戦いを始めるが……。

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どうということのない映画。安部徹が率いる暴力一派を漁民の力の結集して打ち破るという話。ラストはもちろん殴り込みによる大立ち回り。

この映画は反ヤクザ映画であるが、見方によれば労働争議を思わせるアカの香りも感じさせる。こういう映画はやはりウケなかったようで、結局は任侠映画がたくさん撮られるこことになる。

暴力一派のやり口がひどすぎワロタ。警察のいない世界線なのだろうか。そのわりにはラストで梅宮辰夫が騒動のすべての責任を背負い、自首する流れがあるのは意味がわからない。

深作欣二にとってはやっつけ仕事だったのか、冴えない映画である。かたぎのはずの漁民側の5人で背中の刺青でタイトルにある「暴れ竜」を見せる演出も印象が薄い。それでもラスト15分ぐらいの殴り込みの集団抗争のアクションは見ごたえがある。

他に見どころをさがすと、芦田組の用心棒役の高城丈二のキャラクターの濃さだろう。ひさしぶりに見たがクセの強さに圧倒される。かわいがっていた子犬を殺されてブチ切れるシーンはちょっといい。

余談だが、漁村を舞台にした映画ならば、同じく深作欣二監督がメガホンを取った高倉健主演『ジャコ萬と鉄』(1966年)をオススメしたい。