運命の日。29日、自民党の総裁選挙が行われた。1回目の投票では過半数を獲得候補がなく、河野太郎氏との決選投票の結果、岸田文雄氏が新たな総裁に選出された。事実上、100代目の首相が決定した。
岸田氏は安倍内閣で外務大臣を長く務めていたが、正直言ってあまり印象に残っていないし、影が薄い。まあ無難な選択とも言えるが、新しい自民党を感じさせる総裁ではない。これまでの路線を継承して、バランス型の党運営をすることになるのだろう。
それでもルックスはよいので外国人と並んでも見劣りしないのは美点だし、幼少期にニューヨーク在住していた経験もあり、英語も堪能だという。さらに開成高校出身だが、2浪して東大に合格できず早稲田大学法学部に進学しているのもちょっと面白い経歴だと思った。挫折を知っているのは強い。
総裁選の立候補者のなかでは、キャラが立っていて河野太郎氏あるいは高市早苗氏が当選すれば、良いか悪いかは別にし、日本は少しは変わっただろうと思うと残念に思う。いずれにせよ自民党のなかの話なので、党員・党友以外の人は何もいう資格はない。これが政党政治というものだろう。
今回総裁選に当選したことで、そのまま首相になることはほぼ間違いないが、その後の総選挙を岸田氏で勝てるかどうかはわからない。一般の有権者が自分の意思を示すのはこの機会しかない。
これまでの経緯を考えれば、次の総選挙は野党にとって千載一遇の好機のはずなのだが、野党があまりにも不甲斐ないので政権交代は起きそうにない。このあたりが日本が長期にわたり低迷している一因にも思える。