10日に投開票された参院選の結果が出た。改選議席121議席のうち、自民党は56議席、公明党は14議席、おおさか維新の会は7議席で、3党の獲得議席は計77だった。選挙結果の概略にしては下図(Source: NHK)を参照してほしい。
以下、この選挙結果について感じたことを書いてみたい。
改憲勢力3分の2を超す
この選挙結果は自公の政権与党の勝利というだけでなく、改憲勢力が参院でも憲法改正案の発議に必要な議席を占めることを意味する。既に衆院では与党が3分の2の議席を得ていることから、衆参両院で改憲発議が可能となった。
そうは言っても、どこをどのように改憲するのかという点で改憲勢力のなかで合意するのは容易ではないだろう。したかって改憲勢力が3分の2の議席を得たからと言って直ちに改憲されるわけでもない。
そもそも国会から改憲案が発議されても、その後に国民投票で過半数の賛成が必要だということも忘れてはいけない。民進党だったか選挙活動で「3分の2は絶対に阻止する」と息巻いていたが、どうもピントがずれているように感じた。
しかし安倍首相は選挙後さっそく改憲への意欲を口にしている。改憲こそが安倍首相のいちばんやりたいことなのだろう。初めて改憲した首相として歴史に名を残したい、という野望が透けて見える。
一勝一敗
最近は期日前投票で投票して、選挙の翌朝に自分の投票した候補の当落をチェックするのが恒例になっている。比例代表でも候補者名で投票することにしているので、選挙区と合わせて投票した2人をチェックしてみた。
政党名「支持政党なし」
今回、選挙ポスターをみて「支持政党なし」というポスターに目がとまった人も多いのはないか。なぜポスターが横一列に並ぶのか不思議だがとにかく目立っていた。
今回「支持政党なし」がどのくらい得票するのだろうと思っていたが、比例代表で得票は59万票を越えていた。議席を得るには至らなかったが、新党改革や、国民怒りの声、幸福実現党よりも多くの票を集めたのには驚いた。
いっそのこと議席を得て国会で何ができるのか見てみたかった気もする。
今井絵理子当選
今回の選挙でもうひとつ気になっていたのは元SPEEDの今井絵理子である。自民党の比例代表からの出馬だ。開票が始まるとすぐに当確が出た。おっさん世代としては知名度を考えると驚かないが、時は流れたとは思う。
沖縄出身の今井絵理子が基地問題についてどのような考えを持っているのかと思ったが、選挙運動中は一切のアンケートを拒否していたとのこと。基地問題については、「これから向き合う」と言っていたのにも驚いた。
また当選確定後のインタビューでは、「今、私の頭にはSPEEDの『Starting Over』という歌が流れています。終わりは始まりという意味です」とコメントしていた。いま「Starting Over」が収録されたファースト・アルバム『Starting Over』(1997年)を聞きながら書いているが実に懐かしい。およそ20年前のアルバムだが、今井がまだ32才だということに改めて驚いた。若いころから芸能界で活躍していたのが分かる。
今後どのような政治活動をするのか、正直分からないが、せっかく国会議員になったのだから何らかの分野で存在感を示してほしいものだ。世襲や官僚出身の政治家にはできない何かを期待したい。