参院選で自公政権与党が勝利し改憲勢力が3分の2の議席を得たという選挙結果とともに、永六輔さんの訃報が流れた。永さんの政治信条を思うとなんとも皮肉なものだ。
私にとって永六輔さんはラジオの人だ。それも80年代の壮年の頃のイメージが強い。当時住んでいた田舎には民放ラジオ局が1局しかなく。主にTBSラジオをネットしていたJRL系列だった。そこでプロ野球のオフシーズンに放送されていた『六輔七転八倒』という番組が印象に残っている。永六輔、遠藤泰子 のコンビに加えて、中村八大がレギュラー出演しピアノ演奏を生で楽しめる贅沢な番組だった。
その後、上京して生活が一変したこともあり、ラジオはもっぱら深夜放送かFM放送を聞くようなり、永さんのラジオとは疎遠になった。だから老境に入ったの永六輔さんにはあまり縁がなく、私にとっての永さんは脂が乗っている80年代のままである。2015年にTBSラジオで『六輔七転八倒九十分』が始まったときには番組名を懐かく思ったものだ。
もうひとつの接点は作詞家としての永六輔である。「黒い花びら」(歌:水原弘)、「上を向いて歩こう」(歌:坂本九)、「帰ろかな」(歌:北島三郎)、「こんにちは赤ちゃん」(歌:梓みちよ)など、たくさんの名曲を残している。
- アーティスト: 永六輔,田辺靖雄,越路吹雪,西田佐知子,デューク・エイセス,梓みちよ,ジェリー藤尾,九重佑三子,和田弘とマヒナスターズ,益田喜頓,水原弘
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作詞家・永六輔が手がけた楽曲リストを眺めてみると歌謡曲の歴史に燦然と輝く実績を残していることが分かる。こちらはさすがにリアルタイムで経験したわけではないが……。
また永さん自身の歌声の録音が残されている。そのなかに「生きているということ」という楽曲がある。このなかで「生きているということは誰かに借りをつくること」「生きていくということはその借りを返してゆくこと」と歌っている。最近、この歌詞が胸に染みるようになった。
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