退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【訃報】小林亜星さん死去

作曲家の小林亜星さんの訃報が届いた。88歳。

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稀代のメロディメーカーだった小林亜星さんは、「北の宿から」などの歌謡曲だけでのなく、CMソングや特撮・アニメソングなどの分野でも偉大な作品を遺している。

以前書いた「明治チェルシーの唄」の記事のアクセスが急増したので、何事かと思ったらこういうことだった。小林亜星さんの作品は膨大な数に及ぶが、ジャンル別に「小んなうた 亞んなうた」というコンピレーション・アルバムが出ているので、集大成として聞いてみるといいだろう。


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個人的にはレナウンのコマーシャルソング「ワンサカ娘」(作詞・作曲:小林亜星)がいちばん印象に残っている。「イェイ イェーイ イェイ イェーイ」という景気のよさそうな歌だ。もともとは、かまやつひろしの歌唱によるものだったが、1964年の弘田三枝子による歌唱により広く知られるようになった。


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もっとも当時のことは知らないが、その後も歌い継がれたて、80年代の大学のコンパ芸でよく見かけた。むさい男がCMソングに合わせて踊るという他愛のないものだが、定番の出し物だったのかあちらこちらのコンパで披露されていた。たまに女子大生が踊ると大ウケだった。

その後、CMで一世を風靡したレナウンバブル崩壊後には……。多くは語るまい。盛者必衰の理というやつだろう。

また大学時代のサークルには、子門真人のモノマネを得意とする人気者H君がいた。H君の持ちネタが「ガッチャマンの歌」だった。この曲も小林亜星の作曲である。


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小林亜星さんはCMソングを広く手掛けていたこともあり、常に時代とともにあった作曲家だった。そのため作品は人々の思い出と強く結びついている。私の思い出もその一例だが、それぞれが小林亜星さんの楽曲にまつわる思い出を持っているのではないか。

巨躯だった亜星さんだから言うわけではないが、「巨星墜つ」の感が強い。昭和がいよいよ遠くなった。

さてまったくの余談だが、ガッチャマンを歌っていたH君は中日ドラゴンズの熱烈なファンであり、酒席でいつも「燃えよドラゴンズ!」(作詞・作曲:山本正之)を歌って場を盛り上げていた。元気にしてるだろうか。


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