退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【東京五輪】開会式を見たがどうなのアレ…

東京五輪の開会式をテレビで見た。長い長すぎる。

部屋でゴロゴロして見ているだけでも長く感じた。無観客だったが、スタジアムの固い椅子でこんな長かったら観客はウンザリだろう。私は途中ですっかり飽きて買い物に出かけたが、帰ってきてもまだやっていた。どうやら4時間ほどやっていたようだ。

選手団入場で「ドラクエ」などのゲーム音楽が使われたのはちょっといいなと思ったが、任天堂のゲームがないのは大人の都合だったのだったのだろうか。ゲームだけじゃなく、アニメやコミックなどサブカル路線で統一した演出だったら面白いと思ったものだが、そういうわけでもなく一貫性に欠ける。

200もの国や地域におよぶ選手団の入場が長いのは仕方ないのかもしれないが、茶番のようなパフォーマンスは必要なのだろうか。まあ真矢みきが法被姿で女棟梁として登場したのはちょっとうれしかったが、タップダンスのパフォーマンスが始まったときは、北野武のパクリかと思ったものだ。

またピクトの紹介のパフォーマンスも呆れた。海外からの評判は高かったようだが、どう見ても欽ちゃんの仮装大賞のレベル。まあ凄まじい練習量だったのは感じられたが、開会式でやる意味があったのだろうか。

さらに橋本聖子会長のスピーチが延々の続くのにもげんなりした。「女は話が長い」と誰かが言っていたが、そのとおりだなと思った。五輪開催にこぎつけるまでの苦労はわかるが、スピーチは短く頼む。その後、バッハ会長のスピーチがさらに長かったのはどうにでもなれという気分だった。その後の天皇陛下の開会宣言は簡潔でよかった。

最後に大坂なおみによる聖火点灯があったが、ON砲(長嶋茂雄王貞治)も登場して驚いた。新国立競技場には聖火台ないのにどうするんだと思ったが、思わぬところから聖火台が登場した。しかし、この場所からすぐに撤去だよね……。それでいいのか、と思った。案の定、すぐに国立競技場の外に聖火が移された言うニュースがあった。

無観客の開会式を見て思ったのは、これなら新しい国立競技場は要らなかったよねということ。コロナ禍による異例の事態を予想するのは無理だったろうから、これはまったくの結果論なのだが、旧国立競技場が失われたのは惜しい。

大学進学時に上京したとき、いちばん首都らしいと思ったのは、絵画館や国立競技場などの明治神宮外苑の辺りである。その雰囲気が失われたのは残念至極。オリンピックが終わったら、もう一度、新国立競技場に行って確認してみようと思っている。

ニューズウィーク日本版 6/15号 特集:世界があきれる東京五輪[雑誌]