退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

長編テレビ時代劇『野風の笛 鬼の剣 松平忠輝・天下を斬る!』(1987)の岡田奈々が美人すぎる

録画されていた、長編テレビ時代劇『野風の笛 鬼の剣 松平忠輝・天下を斬る!』(1987年)を鑑賞。原作は隆慶一郎歴史小説捨て童子・松平忠輝』。原作者本人が本名の池田一朗名義で脚本を担当している。主演は松平健。ダブル松平。

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徳川家康の六男・松平忠輝松平健)は大坂の陣に参戦しなかったことを咎められ家康(高品格)から、改易、そして10年間の期限付きで飛騨高山に流罪を命じられれる。その10年後、流罪を解かれるかと思いきや忠輝は、秀忠(大出俊)の放った、柳生宗矩(御木本伸介)配下の刺客に襲われる。刺客の襲撃を辛くも退けた忠輝は、兄・秀忠と決着をつけるべく、蘭学医・道伯(花沢徳衛)と伊賀忍者・飛助(笑福亭鶴瓶)を連れて江戸に向かう……。

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流刑後の松平忠輝の話。回想で大坂の陣に参戦しなかった理由が描かれてる。少年のころ忠輝が、徳川の使者として大坂城を訪れたとき豊臣秀頼と意気投合して「決して戦わない」と約束したという設定である。秀頼と忠輝の少年時代の友誼がよく描かれている。

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忠輝は江戸に辿り着き、能役者に扮して江戸城に侵入し、命を狙った兄・秀忠と対決する。ふたりは和解したわけではないだろうが、忠輝は終生配流という処遇を受け入れて歴史の表舞台から姿を消す。史実によれば、諏訪に流され長寿を全したという。享年92歳。

このドラマでは忠輝の岳父・伊達政宗中丸忠雄)が分別のある大人物として描かれているのがよい。そして特筆すべきは正室・五郎八姫を演じた岡田奈々の可憐さである。こうした姫役を演じると右に出る者がない。いまでも十分に通用する顔立ちである。

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さて秀忠が忠輝を忌み嫌った理由だが、忠輝があまりにも優れた人物だったからという設定である。師匠について学んでないにもかかわらず、武芸だけでなく能や音曲にも通じているという多才ぶり。剣では柳生宗矩を一蹴するほどの腕前である。さらに人望もあるときては、優れた弟への妬みは当然か。「兄よりすぐれた弟なぞ存在しねぇ!!」というところだろうか。

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ところでタイトルにある〈野風の笛〉であるが、織田信長から豊臣秀吉徳川家康にと伝わった名笛であり、家康が茶阿局(忠輝の母)を介して忠輝に渡したとされる。ドラマのなかでは忠輝が馬上で笛を吹くシーンがある。横笛でなく縦笛だった。

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このドラマでは松平忠輝が魅力的に描かれている。主人公だから当然なのだろうが、実際はどんな人物だったのか気になる。いずれ原作小説も読んでみたい。

余談であるが、原作小説は後に宝塚歌劇団により舞台化され、2003年花組公演として上演されている。轟悠ふづき美世の時代である。いかにも宝塚向きの物語である。こちらも観てみたい。

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