先日死去した田村正和さんの追悼特番として、21日に「古畑任三郎ファイナル~ラスト・ダンス~」が放送された。田村さんの代表作「古畑任三郎」シリーズの最後のエピソード。ドラマが始まる前、生前の正和さんを振り返るコーナーがあり、それもなかなかよかった。
2006年にシリーズ・ファイナルとして三夜連速で、「今、甦る死」「フェアな殺人者」「ラスト・ダンス」の三作が放送された。今回追悼で放送されたのはその三作目で、シリーズ最後の作品。ゲストは松嶋菜々子。
松嶋菜々子が双子の人気脚本家役で一人二役を演じて話題になった。まあ「姉が双子の妹を殺し、妹のふりをして生きていく」という、陳腐なトリックで、これが最後で本当にいいのか思った記憶がある。シリーズ全体と通してみると、中盤あたりに見てみたいエピソードがたくさんあるが、追悼としてはシリーズ最後のエピソード以外にはなかったのだろう。
松嶋菜々子の演技は、シリーズに出演した他の錚々たるゲストたちに比べて決して秀でているわけではない。それでも彼女の圧倒的な美貌はさすがで天下を取っただけのことはある。貫禄すら感じられる。
ラストで、シリーズ第1作の犯人だった、中森明菜が演じた少女漫画家がアメリカでしあわせに暮らしていることが語られる。このあたりは上手くまとめたなと思う。
追悼としては納得のできる番組だった。やはり正和さんの代表作といえるだろう。
余談だが、関東ローカルらしいが事前に「古畑任三郎ファイナル~フェアな殺人者〜」の放送もあった。こちらはメジャーリーグでバリバリに活躍していた当時のイチローがゲスト出演している。当時、「え、イチローが出るんだ」と驚いた覚えがある。イチローの演技が想像以上にちゃんとしているはすごい。役者としての訓練など受けていないだろうに、これが天賦の才というものだろうか。ちょっと懐かしいものを見れてうれしかった。