退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「橋本聖子が新会長に就任 東京オリンピック組織委員会」で思ったこと

東京オリンピックパラリンピック組織委員会の理事会が開かれ、女性蔑視発言の責任をとって辞任した森会長の後任に橋本聖子氏が全会一致で選ばれた。


橋本聖子氏が組織委の新会長に就任(2021年2月18日)

やっぱり女性じゃないとダメだよね

一時期、森会長の後任に川淵三郎氏の名前が挙がっていた。この事態を収拾するにはお飾りでも女性を会長にしないとダメだろうと私は思っていた。案の定、橋本聖子が新会長に就任することになった。新会長が女性じゃないとダメなのは誰が考えてもわかりそうなものだが……。

しかし透明性が大切と言っていたわりには、選考過程は不透明で会合も「密室」で行われた。人事とはそういうものかもしれないが、官邸の介入があからさまで興ざめだった。五輪への政治介入はいいのだろうか。

橋本聖子氏は閣僚と会長職は兼務できないので五輪担当大臣を辞任して、東京五輪組織委員会の会長に就任する。空いた五輪担当相の席には丸川珠代氏が再登板することになった。

東京都知事小池百合子を加えて、奇しくも3人の女性で東京五輪に向けて活動していくことになった。

本人はやりたくないオーラ全開だった

映像を見る限り、橋本聖子は会長に就きたくない様子がありありと見えた。わざわざ五輪担当相を辞任してまで組織委員会の会長なんてやる意味はないだろう。

前任の森会長の辞任の経緯から予想できたことだろうが、過去のセクハラ疑惑が蒸し返されるのも迷惑千万だったろう。さらに森氏の関係から「森の子分」と言われても仕方なく、森氏の院政が敷かれる五輪組織委員会なんて相当にやりにくいということは想像に難くない。

どんな見返りが提示されたのか気になる

それでも会長職に祭り上げられ、ほとんどメリットのない会長職を引き受けてのにはそれなりの理由があるはず。火中の栗を拾った橋本氏にはどのようなリワードが用意されるのだろうか。五輪はどうでもいいが、見返りのほうが大いに気になるのである。

橋本聖子のすべて―五輪への挑戦